『リアル・ペイン〜心の旅〜』は生きることのしんどさと素晴らしさを教えてくれる極上ロードムービー【LiLiCoオススメ肉食シネマ 第303回】

でも不思議、そんなとき心を刺激してくれる最強の1本に出会うんです。
『リアル・ペイン 心の旅』は2人の男性が旅をするロードムービー、まさに心の旅でもある。
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私の大好きなアート作品やインディペンデント系の映画配給会社『サーチライト』が昨年30周年を迎え、私も作品を色々見返したりしたばかり。『JUNO/ジュノ』や『ブラック・スワン』、『レスラー』、『異人たち』など心に響きましたが、個人的には『サンキュー・スモーキング』、『グランド・ブダペスト・ホテル』などが好みかな。
今回紹介する作品の後、2月28日に公開する、ティモシー・シャラメ主演『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』も乞うご期待!
さて、本作は最近会ってなかった従兄弟同士が祖母のルーツを辿る旅。最初はあまり語られないこの2人の過去が徐々に明らかになっていきます。
ちょっぴり静かだけど、割とまともに見えるデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)と、行き当たりばったりに生きてきた雰囲気を持ち、明るく振る舞うベンジー(キーラン・カルキン)の言葉や、性格の合わなさに最初はクスッと笑えたりします。
でも、人とすぐに仲良くなれるベンジーの魅力にどんどん引き込まれますが、笑っていなければ辛すぎる人生。それは、誰もがきっと感じる孤独や社会からのプレッシャーから来るもの。
そう! これはどんなハッピーな人間に見えても心に苦悩がある、皆さんも共感できる映画です。
ポーランドの景観も脳を刺激!
長い旅と人との出会いから自身の人生を考え、整理できる時間。理想の生き方とはどんな生き方? 幸せとは何? ポーランドの美しさも脳を刺激してくれますが、セリフの行間を心で読み取ると、彼らの生きた軌跡が見えてきます。
そして、最後に原題のままスクリーンに映し出されるタイトル、『A REAL PAIN』。Aが付いただけで、その言葉の強さがここまで増すとは!
あなたの肌と心で感じてほしい。
ラストシーンのそれぞれの環境はしばらく忘れられない。
上映時間は短めの90分ですが、長く感じたのはこの素晴らしい時間を毎秒噛み締めていたかったから。
しんどいときもあるけど、それを敢えて感じながら生きる力に変える。
やっぱり、生きてるって素晴らしい!
リアル・ペイン〜心の旅〜
監督:ジェシー・アイゼンバーグ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、キーラン・カルキン、ウィル・シャープ、ジェニファー・グレイ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 1月31日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)と、兄弟のように育った従兄弟ベンジー(キーラン・カルキン)は、亡くなった最愛の祖母の遺言によって数年ぶりに再会し、ポーランドのツアー旅行に参加する。正反対な性格のデヴィッドとベンジーは行く先々で騒動を起こしながらも、同じツアーに参加したユニークな人たちとの交流や、家族のルーツであるポーランドの地を巡る中で、40代を迎えた自身の生きづらさに向きあう力を得ていく。
「週刊実話」2月6日号
LiLiCo(リリコ)
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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