サッカー元日本代表・本田圭佑の投資ファンドが153億円調達! 日本発スタートアップ企業支援にみる“損得勘定”

本田圭佑(C)週刊実話Web
元サッカー日本代表で実業家の本田圭佑氏が設立した投資ファンド『X&KSK』が総額約153億円の資金調達を行った。

同ファンドは企業価値が100億ドル(日本円で約1兆6000億円)以上の未上場企業「デカコーン」(=ユニコーン企業の10倍以上の評価額を持つスタートアップベンチャーのこと)の創出に向けて投資や海外支援を行うという。

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出資したのは三井住友銀行やSBIホールディングス、東急不動産など複数の国内大手の事業会社を主体に、ZОZО創業者の前澤友作氏の投資ファンド『前澤ファンド』や個人投資家ら。

昨年は第1号案件として完全自動運転システムの開発を手がけるTuring(チューリング)や、尿がん検査「マイシグナル」を提供するCraifへの出資を発表。今後も「デカコーン」となる可能性が高い未上場のスタートアップ企業への出資をする予定だ。

いずれにせよ本田氏は今回、人脈やコネをフル活用して広告塔となり、金融知識や経営ノウハウのブレーンは本田氏個人の資産運用を任されていた実業家の中西武士氏が担い、多額の資金調達に成功した。

しかし、日本でデカコーン企業の創出は実現可能なのだろうか。

「日本では企業の評価額が10億ドル以上のユニコーン企業ですら8社しかなく、デカコーン企業は昨年12月に日本初のデカコーンに到達した金融取引セキュリティー技術開発の『GVE』1社のみです」(市場関係者)

今までに国内200社に投資

日本にユニコーンやデカコーン企業が少ない理由は海外進出に挑戦する起業家が少ないからだが、これには本田氏自身も危機感を抱き、対策も講じているようだ。

「実は153億円の資金調達を完了したと発表した同時期に『X&KSK』は、英語コーチングサービスの提供会社『プログリット』との提携を発表したほど。海外投資家とコミュニケーションが取れる実践的な英語力の習得を支援することで、『日本初デカコーン企業』の誕生を後押ししようとしているのです」(金融アナリスト)

ちなみに、本田氏は経営者に資金を私的流用された苦い経験も含めて、今までに日本国内で約200社に投資した実績があると言われているが、この実践的英語力の支援は世界的ベンチャーを育てる強力な武器となることは間違いない。

果たして「日本発のデカコーン企業創出」というゴールを決めて、大きなリターンを得ることができるのか。

「週刊実話」1月30日号より一部内容を変更