不倫、パパ活の証拠を突きつけ脅迫!「守秘義務」悪用で荒稼ぎしたラブホ従業員の“由々しき副業”



未成年者を同行した映像も…

その不運な2人目のユーザーがB子さんだった。

「B子さんは喜子が昔働いていた工場のパート仲間だったそうです。Aさんの逆パターンで、ご主人以外の男性と来たのを見つかってしまったんです。フロントのタッチパネルで部屋を選んでいた姿がばっちりカメラに映っていたのもありますが、B子さんの持っていたハンドバッグと付けていた特徴のあるキーホルダーが動かぬ証拠となって言い逃れができなかったみたいですね。口止め料として30万円払ったそうです」

また、3人目の被害者であるCさんは「パパ活」現場を見つかっていた。

「Cさんは喜子のママ友のダンナさんですが、喜子がそうした存在だとは知らなかったみたいです。お連れさまが親子ほどトシの離れた若い女性だったこともそうですが、ロビーでのやりとりから、女性が未成年であることがうかがえたんですよね。これはヘタしたら犯罪ですので、ただの浮気現場を押さえられるよりもヤバイじゃないですか? 当然、喜子はそこに付け込んだみたいで100万円を要求していた。Cさんはサラ金で金を工面したと喜子は言っていましたよ」

喜子が白状したのは以上の3名だが、他にも犠牲者がいた可能性は十分に考えられる。

「喜子のやったことは犯罪だし、業務妨害なのでこちらも被害者ですが、ヘタに警察沙汰にしたらホテルの信用もなくなるし、お客様にも余計に迷惑がかかるじゃないですか? それを喜子も分かっていたんでしょうね。謝罪はしたものの、悪びれた様子はまるでなかったのはそのためだったと思います」

当然喜子はその場で解雇されたが、「もしかしたら別のホテルで同じことを繰り返すかも知れない」と考えたオーナーは、近隣の同業者にこの騒動のてん末を情報提供したという。

喜子のやったことは、プライバシーを尊重するラブホ業界にとって由々しき問題だったのは間違いない。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。