汗水垂らして働いた後のビールともつ焼きは最高! 鶴見『鶴見川橋もつ肉店』【男がほれる酒と肴「ホの字酒場」第15回】

すべての注文は入り口でオーダー&お会計。飲み物はその場で受け取り、料理はスタッフが届けてくれる。立ち飲みスタイルで食器の返却はセルフサービス。
隣駅の川崎は栄えているが、昼間の鶴見駅前はほとんど人が歩いていない。だが夕方になると、がぜん活気を帯びるのは、ここが労働者の街だからだ。

労働者の街にはもつ焼きがよく似合う。汗水垂らして働いた後のビールともつは格別だ。

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オープンの少し前から、待ちきれない客が店の外をうろうろし始める。開店と同時に駆け込むように入ってくると、「とりあえずビール」の声。初めての客はたくさんのメニューに戸惑うかもしれないが、こういう時は煮込みを頼めば間違いない。
煮込みの汁にガーリックトー ストをつけて食べるのがおすす め。「もつ煮込み」390円
自慢のもつは横浜にある食肉処理工場で解体されたばかりで新鮮そのもの。串焼きで食べても鮮度の違いが分かる。
コリコリの食感がたまらないセンマイ刺し(450円)は酢みそとともに
ビールを飲んで人心地ついたら、もう一度、壁に張られたメニューを眺める。横のテレビからは相撲中継が流れている。
「ガリ酎」は490円。「生ビール(中)」が590円。
コワモテの店主が黙々と串を焼き続ける。若い店員は注文を繰り返し、すぐにお釣りと酒を提供する。注文してしばらくすると、「お待たせしました」と串焼きをのせた皿が届いた。無駄のない連携が心地よい。
「本日の串盛り合わせ」(850円)は鶏レバー、皮、砂肝、そろばん(鶏の首の筋肉)、カシラ。
酒がなくなると酔っ払いたちは注文待ちの列に整然と並ぶ。店員と常連の質がいい店に、はずれはないと改めて思う。
『鶴見川橋もつ肉店』
神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央2-9-15
045-947-3921
営業時間:16時~21時(土・日は15時~)
休み:月・火

撮影・文/キンマサタカ
「週刊実話」10月24日号より