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六代目山口組“外交”と“内政”極秘抗争終結戦略!

六代目山口組“外交”と“内政”極秘抗争終結戦略!
六代目山口組“外交”と“内政” (C)週刊実話Web

神戸山口組(井上邦雄組長)に目立った動きがみられない反面、六代目山口組(司忍組長)は〝外交〟を活発化している。他団体との結束を確認する目的があるとみられたが、山口組の分裂問題が長期化する中で、他団体との接触も無関係ではないという見方がされた。

そのため、5月8日に住吉会(小川修司会長=東京)の関功代表が六代目側の静岡県浜松市にある二代目國領屋一家(戸塚幸裕総長)で、司六代目、髙山清司若頭と顔を合わせた〝会合〟は、より注目された。

「関代表は、会長時代から個人的に司六代目と親交を深めてきた。住吉会が小川新会長体制になったから、浜松では慰労会のような意味合いで、食事の席が設けられたんやろ。個人的な訪問とはいえ、六代目側はナンバー2の髙山若頭も出席して、若頭補佐陣が送迎役を担っとった。それに、國領屋一家には竹内照明若頭補佐(三代目弘道会会長=愛知)も来とって、弘道会の最高幹部が総出で客人の出迎え対応をしとったで。重要な意味を含んだ集まりやったんが、よう分かるやろ」(ベテラン記者)

一方の神戸山口組にも住吉会の実力者の一人と交流があり、その関係は業界内外に強烈な印象を与えた。

「分裂直後、神戸側の最高幹部たちが全国を飛び回って、他団体へ挨拶に行った。神戸山口組の発足を周知させるためであり、交流をアピールする狙いもあったはずだ。ヤクザの世界では、組織間の交流も重要視される。平和共存路線の確認であったのが、山口組が割れたことで他団体にも影響が及んだからね。どういうスタンスになるのか、当初は警察も警戒していたほどだ」(他団体幹部)

業界内外に最も衝撃を与えたのは、住吉会最高幹部を務めた加藤英幸・幸平一家十三代目総長による訪問だった。平成27年9月、山口組分裂からわずか9日後のことで、多くの報道陣が待ち構える中、山健組本部に姿を見せたのである。

「加藤総長は当時、井上組長がトップを兼任する四代目山健組と縁があって、個人的な返礼の目的があって、山健組本部を訪れたようだった。神戸山口組の最高幹部たちとも顔を合わせたが、どちら側に付くとかそういうことではなかった。ただ、幸平一家の看板を知らないヤクザはいない。神戸山口組にとって、重要な人脈だったのは間違いなかった」(同)

鮮明になった武力行使の姿勢

六代目山口組の元にも、全国の親戚・友好団体トップが〝陣中見舞い〟に訪れ、六代目側支持を表明。吉村光男組長率いる九代目酒梅組(現・木下政秀十代目組長=大阪)などは、付き合いを断って神戸山口組支持に回り、中岡豊組長の五代目浅野組(現・総裁、重政宜弘組長=岡山)も、のちに親戚解消となって神戸側との距離を縮めていった。

さらに、馬場美次会長体制だった六代目会津小鉄会(京都)に至っては、平成29年に内部方針を巡って分裂。六代目側支持と神戸側支持に分かれ、2つの七代目会津小鉄会が存在する事態に発展した(現在は統合=七代目会津小鉄会・金子利典会長)。

業界内が混迷の度合いを深める中、一昨年10月に六代目側の〝指揮官〟である髙山若頭が出所。現場復帰を果たした8日後には関東を訪れ、当時の稲川会・清田次郎会長(現・内堀和也会長=東京)らと顔を合わせている。

稲川会が内堀会長体制になって以後も関係強化が図られ、髙山若頭がたびたび訪問する姿がみられた。

さらに、4月7日には神奈川県内の稲川会館に稲川会、松葉会(伊藤芳将会長=東京)、双愛会(椎塚宣会長=千葉)、東声会(早野泰会長=東京)のトップと最高幹部らが集結。髙山若頭も出席し、六代目山口組と関東の親戚団体による「五社食事会」が開かれたのだ。

「五社が揃うのは珍しいことだった。3月には揉め事によって緊張状態にあった住吉会と稲川会が、トップ同士の席を持って手打ちになったばかりだった。六代目側としても、関東組織の平和共存路線を再確認する狙いがあったんじゃないか」(関東の組織関係者)

その一方で分裂抗争は激化の一途をたどり、髙山若頭の出所から約1カ月後には、神戸山口組・古川恵一幹部が射殺される事件が発生。六代目山口組による武力行使の姿勢が、より鮮明になった。

六代目側は内部体制の強化も図り、2月には「幹部」から2名を若頭補佐に昇格するなどし、3カ所のブロック長も新たに抜擢。さらに、中核組織である弘道会では髙山若頭の現場復帰後、若頭のポストに武闘派として知られる野内正博・野内組組長が就任した。

健心会が弘道会直系組織に

「切り崩し工作が活発化した時期、野内組にも相次いで組員が移籍した。拠点は岐阜県にあるが、関東や関西にも勢力を広げ、このご時世にして組員数は三次団体では異例の100人超えだ。野内組への加入は今も続いていると聞くから、分裂終結に向けて戦闘態勢を着々と整えている印象だ」(山口組ウオッチャー)

また直近では、弘道会の直参に中川孝行・三代目健心会会長が5月7日付で昇格。健心会は江口健治二代目が六代目山口組若頭補佐を退任して以後、弘道会の預かりとなった。晴れて直参に上がったことで、弘道会の直系組長数が伸び、体制強化が顕著になった。

「これまでの抗争事件では、弘道会から複数のヒットマンが出た。勢力数に比例して、水面下で動く人員も多く抱えている可能性がある。今年1月以降、対立事件は起きていないが、分裂問題に終止符を打つべく、必ず次の一手があるはずだ」(同)

先頃、神戸山口組との〝和解交渉〟の噂がSNSで出回り、神戸側がそれを否定する通達を出した。井上組長の動向は漏れ聞こえていないが、徹底抗戦を続ける構えであることが判明。分裂問題の〝鍵〟は井上組長の意志であり、六代目山口組が終結に向けてどう攻めるのかに、焦点がしぼられた。

「可能性として考えられるのは、のちのち六代目側の〝外交〟が大きく関わってくる点だ。しかし、それには関わる理由が必要になる。現状、他団体が表立って仲裁に入っていないということは、まだその段階ではないとのスタンスなのか、もしくは巨大組織ゆえの難題だからなのか」(業界ジャーナリスト)

一方、兵庫県神戸市内の建物から複数の弾痕が発見された事件で、5月10日、兵庫県警は男2人を建造物損壊の容疑で逮捕した。

「事件は3月28日に起きて、近くに絆會(織田絆誠会長)の直参が住む建物があったもんやから、本当の狙いはそこやったんかとも噂になった。男の1人が山健組傘下の元組員やって、なおさら疑惑が囁かれたが、とうの昔に辞めとるそうや。真相解明に向けて、県警の取り調べが重要になってくるな」(地元記者)

神戸側・俠友会(寺岡修会長=兵庫淡路)傘下の西宮市にある元組事務所でも、3月3日に同様の事件が発生。関係者の多くが不可解さを口にした。

六代目山口組にとって分裂終結は絶対的な使命であり、次なる戦略に業界内外の空気が張り詰めている。

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