放火、ひき逃げ、未成年買春…家族の悪事をすべて金でもみ消す悪徳実業家の“汚れた武勇伝”

画像はAIで生成したイメージ
関東地方を中心に貸金業と不動産業を営む実業家・吉川武(仮名・67歳)氏は国立大学の法学部を卒業したインテリ。

卒業後にメガバンクに就職するも20代で退職。その後消費者金融の会社に転職し、独立して「貸金業」を始めたところ大成功。30代で億万長者となった。

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「彼は貸金業だけでなく、借金の代わりに取り立てた土地を転がして不動産業も始めました。法律の専門家でもある彼は、法の網を目かいくぐってかなり悪どいやり方もしていたようですが、結果的には巨額の資産を保有する実業家になったのです」と話すのは、吉川氏の幼馴染である、Aさんだ。

Aさんと吉川氏は同じ公営住宅で生まれ、赤ん坊の頃からの付き合いだったという。

その彼が今回取材を受けてくれたのは吉川氏の悪行を暴露するためだった。

「政財界の集まりにも顔を出すようになった吉川は、金と女で政治家や警察関係者、反社系の人物などを接待しまくって懇意になりました。それを利用して不祥事をもみ消しているんです」

吉川氏には総合病院の元令嬢である妻(50代)とすでに成人している息子と娘がいるが、家族ぐるみで不祥事のオンパレードだという。

「奥さんの場合は度重なる違法賭博です。地下カジノと呼ばれる場所に出入りして散財しています。ここでとある有名女優さんと親しくなり、彼女の負けを2000万円くらい払ってあげたこともあるそうです。あとは飲酒運転によるひき逃げですね。確か徘徊していた高齢者をはねたんですよ。警察が証拠として彼女が運転していたベンツを押収しているにもかかわらず罪に問われていません。いつだったか、気に入らないママ友の愛犬を殺したり、家に火をつけたと豪語していました。本来ならば器物損壊と放火で逮捕される案件です。実家の病院の医療事故も隠蔽していたようです」

「地獄の沙汰も金次第」が座右の銘

一方、娘は3年くらい無免許でボルボを乗り回していて、交通違反は数えきれないという。

「娘は覚醒剤を所持していたこともありますし、息子の場合は反社とつるんでの窃盗・傷害は数知れずで、歌舞伎町あたりでたむろしている家出少女などをさらって性犯罪も繰り返していました。吉川はそういう話を武勇伝のように語るんですが、『地獄の沙汰も金次第』が座右の銘と豪語しています。そういう吉川自身の不祥事は脱税です。顧問税理士が税務署とズブズブみたいです。ここ数年は淫行(※未成年相手の買春)にも手を染めていますね。実の娘より若い女性を札束でおもちゃにしているんですから、とんでもない悪党ですよ」

Aさんは「不祥事」という言い方をしているが、やっていることは犯罪であり、これが事実であれば日本はすでに法治国家とは言えないだろう。

「言っておきますけど、吉川の例なんて氷山の一角ですよ。彼の話を聞く限り、世の中は金で転ぶ人間ばかりで正義なんて存在しません。私には世直しなんて大層なことはできませんが、せめてもの抵抗として60年以上の付き合いがある彼と縁を切ることにしました」

Aさんが吉川氏との絶縁を決めた理由は他にもあった。

「吉川の両親はもともと東北からの出稼ぎ労働者で苦労人でした。夫婦で朝から晩まで働き詰めで彼を大学に行かせたんです。その両親が高齢で働けなくなり、爪に火を灯すような生活をしても彼は一切援助をしませんでした。それどころか自分の出自を恥じていた彼は実家に寄り付きもしなかったんです。その両親は昨年相次いで亡くなりましたが、吉川は葬式にも顔を出さず、香典も寄越さず、花すら出しませんでした。私は彼を人として許せないんです」

吉川氏の両親は「ご近所のよしみ」でAさんの家族が弔ったそうだが、吉川氏の仕打ちに参列者全員が怒りに震えていたという。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。