階段から蹴り落とされ、髪の毛に火をつけられる…児童相談所職員の過酷な勤務実態

激務に見合わない待遇に慢性的な人手不足の中で、児相の職員がどれだけ悪戦苦闘しているか、世間にはなかなか伝わらないのが現状だ。
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「児相にやってくる子供たちは機能不全の家庭で育った子どもたちがほとんどです。当たり前ではない環境に育ち、当たり前の庇護や愛情を受けられなかった彼らに、当たり前の環境を提供するのが我々の仕事ですが、それすらも一筋縄ではいかないんです」
そう話すのは現役の職員であり、保護施設の運営にも携わっているA子さん(40代)。
A子さんによれば、児相の職員は子どもたちと関わることでメンタルをやられることが多いという。
「ここに来る子どもはおとなに対して不信感を抱いていることが多く、おとなとの距離感が分かりません。おとなを敵視したり警戒するタイプの子どもであれば、職員に対して平気で暴言を吐いたり暴力をふるったりしますし、逆におとなにすがったり甘えようとする子は必要以上にまとわりついて執着します。どちらもおとなの反応を確かめようとする意味では同じなのですが、相手をする側としては距離感をうまく掴めず、精神的に振り回されてしまうことになるんです」
救いたくても救えない子どもの存在
実際に起きた事例をあげてみよう。
暴力をふるうことでしか周りの関心を引くことができなかった少年がいた。
その少年をなんとか救いたいと思ったある男性職員は少年からどんな暴力をふるわれても力ずくで制したりはせず、ひたすら言葉で少年を諭していたのだが、ある日少年は男性職員を階段から蹴り落したうえに殴る蹴るの暴行を加え、全治1カ月のけがを負わせている。
この時の少年の言葉が「何にも分かってないくせいに、きれいごとばっかり言うからムカついた」というものであった。
またある少女から、母のように姉のように慕われて、常に親身に寄り添っていた女性職員は、結婚を機に退職する意向を少女に伝えたところ「アンタも結局私を捨てるんだ」と逆恨みをされ、髪の毛に火をつけられて背中に軽いやけどを負っている。
この時少女は「顔をやけどして醜くなれば結婚できなくなって、ずっと私のそばにいてくれるだろう」と考えていたらしい。
どちらの事件も職員に大きなダメージを与えたが、それは肉体的なケガよりも精神的な傷の方が大きかった。
「ふたりとも『自分の接し方が間違っていたのか…』と非常にショックを受けていました。良かれと思ってやっていたことが裏目に出てしまったのですから無理はありません。『おとなの物差しで子どもを測ってはいけない』とは常に職員に言い聞かせていることですが、これは『言うは易く行うは難し』の典型のようなもので、真剣に考えれば考えるほど迷宮にはまり込んだような気持ちになります。児相にやってくる子どもの心の闇は我々の想像をはるかに越えて深く、複雑なんです。児相の職員はみんな、子どもたちを救いたいと考えていますが、救えない子どもがいるのも事実で、その現実に打ちひしがれて職を辞する人も少なくありません」
児相という、ある種閉鎖された環境の中では、常に子どもの人権を守るための攻防戦が繰り広げられている。
取材・文/清水芽々
清水芽々(しみず・めめ)
1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。
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