“石破おろし”の攻防戦開始 国民民主党との連携は政権維持の生命線「頼みは他党の有力議員」
少数与党による厳しい政権運営を強いられている石破茂首相(67)は、立憲民主党に配慮しつつ、自公国か自公維の路線に活路を見出す構え。だが、野党の主張を丸のみし、変節を繰り返す姿勢に自民党内の不満は高まる一方…。「石破おろし」の攻防戦が始まろうとしている。
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国民民主との連携は政権維持の生命線
「ご要望にしっかり応えていくとともに、その実現に向けて共に進めていければ、こんなにありがたいことはございません」
昨年11月26日、首相官邸執務室。石破茂首相は、野党党首として異例の政策談判に訪れた国民民主党の玉木雄一郎代表にこう話した。
玉木代表は、政府が策定中の第7次エネルギー基本計画に、原発の再稼働や建て替え、新増設を進めるよう要請したが、その場には東京電力と関西電力出身の国民民主所属の議員2人も同席していた。
仕組んだのは首相側だった。政府関係者が話す。
「首相は国民民主の協力を得る中で自公国3党の枠組みを政権基盤としたい。それには国民民主を支える産別労組、中でも電力総連の取り込みが重要だ。そこで玉木氏と組織内議員を招いて、直接要請を受ける場面をセットした」
政権基盤が極めて脆弱な首相にとって、先の衆院選で躍進した国民民主との連携は、もはや政権維持の生命線と言っていい。
同党が掲げる、所得税が発生する「103万円の壁」の引き上げだけでなく、エネルギーを含めた基本政策の推進で合意できれば、2025年度予算成立への協力を得る道筋も見えてくる。
交渉中断は“見せ場づくり”
それは「少なくとも来年4月までは政権を維持できる」(政府関係者)ことを意味する。そこで「あの手この手で国民民主を『事実上の与党』として遇している」(同)というわけだ。
壁の引き上げ上限をめぐって、自民党は国民民主が要求する178万円には遠く及ばない123万円とし、12月20日に税制改革大綱を決定したことで、自公国3党の交渉は一見、暗礁に乗り上げたかに見える。
だが、これについても「この手の話は、最後は党首会談で決着をつけるが、玉木氏は女性問題の党内処分により2月まで役職停止だ。だから見せ場を2月に残しただけ」(同)なのだという。
首相が政権維持のために触手を伸ばしているのは玉木代表だけではない。政府関係者によると、立憲民主党の野田佳彦代表と、日本維新の会の前原誠司共同代表にも直接働き掛けをしているという。
【石破政権の落日(2)】へ続く
「週刊実話」1月9・16日号より一部内容を変更
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