逮捕者も続出! 漁獲高を報告せず裏ルートで流す“闇マグロ”が全国で横行中

画像はAIで生成したイメージ
2025年以降、日本のクロマグロの漁獲枠が30キロ以上の大型漁は現在の1.5倍、30キロ未満の小型漁は1.1倍増になることが資源管理を話し合う国際会議で決定した。

この合意で大型魚の漁獲高は年間5614トンから8421トン、小型魚は4007トンから4407トンへと増えることになるが、その一方で水産庁へマグロの漁獲報告をしない違法な“闇マグロ”が市場に出回り続けているという。

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太平洋クロマグロの資源管理の国際枠組みにより、水産庁は15年に漁獲量の制限をスタートさせたが、闇マグロが流通する要因の一つには23年4月から始まった「遊漁規制」が挙げられるという。

「30キロ未満の小型漁は採捕禁止。30キロ以上の大型漁は1人、1日1尾まで。遊漁業者はキープしたクロマグロの重量・海域などを水産庁へ報告しなければならない。漁師は放流したことを“捨てる”と表現するが、捨てたはずのクロマグロが全国の市場に紛れ込んでおり、東京・豊洲市場にも怪しいクロマグロが入り込んでいる。水産庁に報告しないで闇に流して儲けている業者がいたり、中間業者が報告済みのクロマグロの中に闇マグロを紛れ込ませて市場に出しているとの情報もあるが、クロマグロの流通は複雑で真相は謎のままなのです」(東京・豊洲市場の水産仲卸業者)

大間ブランドがダウン

昨年2月、青森県警は漁獲報告義務違反容疑で20人以上の漁業者を書類送検した。

また、今年9月には宮城県気仙沼市の漁港で、漁獲したクロマグロ約10トンを国に報告しなかった漁業法違反容疑で、海上保安庁が漁船船長を書類送検している。

「青森県大間のクロマグロは、漁協を通さず静岡県の市場で売られていた。値段も豊洲市場の半値です。他にも大手回転寿司チェーンに流れていたケースがあったがその結果、大間ブランドのイメージがダウンしたんです。来年、クロマグロの漁獲枠は多少アップしますが、“捨てる”クロマグロの量はさほど変わらない。水産庁も今年4月に『漁獲管理官』というポストを新設して闇マグロの売買に目を光らせているが、メンバーはたった20人。これでは闇マグロは根絶できませんよ」(漁業ライター)

25年も“闇マグロ”は横行しそうだ。

「週刊実話」1月9・16日号より