「拒否すれば帰国させる」妊娠、中絶、残業代未払い…海外からの技能実習生に対する“性暴力”が噴出!

画像はAIで生成したイメージ
栃木県のイチゴ農園で技能実習生として働いていたカンボジア国籍の女性3人が12月16日、農園を経営する男性から性暴力を受けたなどとして、この男性を相手取り、約9200万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

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訴状によると、20代の女性3人は2022〜23年にこの農園で働き始め、うち1人が男性から「拒否すれば帰国させる」などと脅され、性行為を繰り返し強要されたという。

23年1月に妊娠が発覚すると、日本語が十分に理解できない女性は男性から十分な説明のないまま人工妊娠中絶の処置を受けさせられ、さらに中絶後も性暴力が続いたなどと主張している。

また、別の女性2人も胸や尻を触られるなどしたという。

3人は同年4月、岐阜県内の労働組合に被害を訴え、農園から避難し保護された。

この組合によると、女性は「日本に来るために借金をしていて、我慢するしかなかった。私のような被害者がこれ以上出ないように助けてほしい」と話しているという。

また、女性たちは来日も就業経験も初めて。日本語での日常会話も難しい状況だったが、男性は原告らのこうした弱い立場を利用して性加害を繰り返したほか、長時間労働をさせて残業代を支払わないなど、“支配”とも言える行動を取ってきたと訴えているのだ。

経営者は裁判で争う姿勢

一方、男性側は「女性と性行為をしたことは事実だが、脅迫はしておらず、相手が同意していると思っていた」「中絶については本人が望んでいた。医者が本人に説明して、本人も理解した上で中絶をしていた」「他の2人については胸を触ったりなど一切していない。(訴えについて)事実とまったく違うから驚いた」などと反論、裁判で争う姿勢を示している。

ただ、技能実習生を狙った性加害はこれだけではない。

「この事件と呼応するように、12月24日には福岡県の農家で働く技能実習生が雇用主の男性から性暴力を受けたとして県警に被害届を提出して受理された。実習生は20代のベトナム人女性だが、7月に来日し、8月からこの農家で菊の栽培に従事したが、雇用主の男性から『お金をあげるからホテルに行こう』と言われ、作業中に胸や下腹部を触られたり、下着を外されたりするようになったというのです」(社会部記者)

こうした事例は氷山の一角。今後は海外から来日した技能実習生に対する性被害が急速に噴出しそうな雲行きだ。

「週刊実話」1月9・16日号より一部内容を変更