「できなかったら死にます」恐ろしい誓約書も…同僚、社長が逮捕された“踏切自殺強要”事件の深い闇

画像はAIで生成したイメージ
従業員を日常的にいじめた上、踏切内に入って電車に轢かれるよう強要した疑いがあるとして、警視庁は12月8日、東京都小平市の塗装会社『エムエー建装』の代表取締役・佐々木学容疑者(39)と同僚の男3人を殺人と監禁容疑で逮捕したが、この事件の“異様さ”が注目を集めている。

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警視庁によると、4人は共謀して2023年12月2日深夜、同僚だった高野修さん(当時56)を自宅から連れ出して乗用車内に監禁。翌3日午前0時10分ごろ、板橋区内の東武東上線の踏切に立ち入るよう仕向け、殺害した疑いがもたれているのである。

捜査関係者が言う。

「この後、高野さんは電車にはねられ死亡しました。警視庁が周辺の防犯カメラを調べたところ、踏切脇に止まった車から高野さんとみられる人物が降り、確かに1人で歩いて踏切に入る姿が映っていたものの、そのいでたちは真冬の深夜にもかかわらず防寒着もまとわずサンダル履きという異様なものだった。そのため、事件の可能性が急浮上したのです」

警察が4人の容疑者のスマホを解析した結果、すでに高野さん宅や車の中で繰り返し暴行していたことが判明している。

一部の容疑者のスマホには、高野さんが熱湯をかけられ負ったやけどの痕やプロレス技をかけられる様子が映った動画なども見つかっており、死亡する3年以上前から繰り返し暴行を受けていたとみられているのだ。

また事件当日、監禁された高野さんは荒川の橋を経て踏切で車を降りたが、一部の容疑者のスマホには、「(高野さんが)川が嫌いだから踏切に行きたいんだって」と話す音声が残されていた。

この言葉にも「警察は重大な関心を示している」という。

仕事のミスでターゲットに

もっとも、不可解なのはなぜ高野さんが社長の佐々木容疑者や同僚らからイジメを受けていたのかという点だろう。

大手紙の社会部記者がこう語る。

「知人らによれば、実は高野さんは不器用で仕事にミスやムラがあるタイプだったといわれており、そうしたことから次第にターゲットになっていった可能性が否めないのです。実際、4人は日ごろから高野さんに『笑うな』『敬語を使え』と命じていたとされ、高野さんが従わない場合は暴行を加え、さらに『できなかったら死にます』といった内容の誓約書を書かせていたといわれているのです」

警察は佐々木容疑者や同僚らが高野さんを精神的に「支配」し、日常的ないじめの末に殺害に至ったとみて調べを進めているという。

「週刊実話」1月2日号より一部内容を変更