広島「九里獲られ損」の大失態! マネー戦争回避で新井監督“大損”確定

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島 (C)週刊実話Web
海外FA(フリーエージェント)権を行使した九里亜蓮(33=前広島)がオリックス入りを果たし、12月25日に入団会見を行った。

「オリックスが最初に狙っていたのは、ソフトバンクから千葉ロッテにFA移籍した石川柊太でした。石川に対し、イの一番で交渉したものの、『脈ナシ』と判断し、早々と九里に切り替えたんです」(球界関係者)

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これに対し、広島は「リスト(プロテクト名簿)を見て、いつも通りの段取りで考えます」(鈴木清明球団本部長)とコメント。当然、人的補償の権利を行使すると思われたが、そうもいかないようだ。

「たとえマイナー契約でも九里は米球界に行くとみていました。それが国内移籍に一転したのは予想外です」(地元メディア)

人的補償を行使しづらい理由は、支配下登録選手の人数枠にある。12月2日に公示された同選手数は59人。ここに、支配下でドラフト指名した5人が加わる。

さらにまた、新外国人野手のエレフリス・モンテロ、サンドロ・ファビアン、同投手のジョハン・ドミンゲスの獲得もすでに発表している。

「現役ドラフトでも、広島は初の2人目の選手指名を行いました」(同)

この時点で、70人の支配下選手枠が68人まで埋まってしまった。ここで、オリックス側に人的補償を求めれば、「プラス1」で、支配下の残り枠は「1」になる。

人的補償か若手のヤル気か

「どのチームも65人程度でキャンプインします。レギュラー選手にケガがあった場合や計算していた主軸選手が不振に陥ったとき、緊急補強できるようにするためです」(スポーツ紙記者)ちなみに、「外国人選手の獲得が早過ぎた」と指摘する声も聞かれたが、広島は戦力補強において「マネー戦争はしない」の強いモットーがある。

その方針は海外チームに対しても同じで、キャンプインが近くなればこちらの足元を見て“吹っ掛けてくる”代理人もいるからだ。

「人的補償を行使し、選手をもらっておくとう選択肢も確かにある。でも、それは球団にとってはマイナスでしかありません。広島は育成のチーム。支配下登録を目指す育成選手たちのヤル気が“爆下がり”となるからです」(同)

若手のヤル気を害するとなれば、新井貴浩監督(47)も人的補償を見送るしかない。それを考えれば、長く先発枠を支えてくれた九里の流失は、タダの大損でしかなかったようだ。

「週刊実話」1月9・16日号より一部内容を変更