勝新太郎「大麻パンツ事件」で飛び出した伝説のセリフ 芸能記者が見た“似たもの夫婦”の豪胆ぶり【“昭和100年”伝説の記者会見(4)】

勝新太郎 (C)週刊実話Web
スマホやSNSが普及し、近年は著名人が自ら声をあげられるようになった。しかし、そうしたものがなかった昭和&平成の時代は、記者会見で声を届けていたものだ。

“昭和100年”を迎える2025年、数多開かれてきた記者会見の中から、芸能記者たちが「伝説」と呼ぶ会見を総ざらい。コンプライアンスそっちのけだった時代のブッ飛びっぷりをご覧いただこう。

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昭和や平成の芸能界では覚醒剤所持で逮捕された芸能人の多くが、謝罪会見を開いていた。その極め付きは“昭和のビッグスター”勝新太郎の「大麻パンツ事件」だろう。

『座頭市』をはじめ、映画やドラマで名優と名をとどろかせていた“勝新”が、事件を起こしたのは1990年(平成2年)1月16日のこと。

ハワイのホノルル空港で下着の中に隠し持っていた大麻とコカインが見つかり、現行犯逮捕されたのだ。

「逮捕後に現地で記者会見が開かれたが、海を渡って詰めかけた報道陣を前に、勝新は神妙な顔をするでもなく、とぼけた感じでパンツの中に隠し持っていた理由を『気付いたら入っていた』と回答。薬物の入手経路についても決して口を割ることなく、鷹揚に『なぜ、私の手にコカインがあったのか知りたい』と煙に巻き続けたが、そこであの“伝説のセリフ”が飛び出した」(往年の芸能記者)

中村玉緒は捜査員におにぎりを振る舞い…

「今後は事件を起こさないよう、もうパンツははかないようにする――」

予想外だったのは、ワイドショーでこのとぼけた会見の模様が流されると勝のおちゃらけぶりが話題を呼び、大スターとしての存在感をさらに高めていったのである。

もっとも、一連の騒動で見せた豪胆さでは妻で女優の中村玉緒も負けていなかった。

「後日、本人が明かしたところによれば、勝新が逮捕されたとき、日本の自宅にも警察の家宅捜索が入ったという。その際、玉緒さんは薬物の痕跡を探しに来た捜査員を『どうぞごゆっくりお探しください』などと招き入れ、揚げ句におにぎりまで握って振る舞った」(同)

ちなみに、勝は豪放磊落な性格で、役にのめり込むと監督や映画関係者らと大ゲンカすることも多かった。しかし、その一方で毎晩のように関係者らを引き連れて飲み歩き「一晩で数百万円使っていた」との逸話もあったほど。

だが、肝の据わり方は似たもの夫婦だったと言えるのだ。