【紅白歌合戦のヤバすぎる事件簿(3)】加山雄三“伝説の言い間違い”とシンディ・ローパー出演で視聴者離れが加速

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毎年、年越しとともに視聴率が話題となる『NHK紅白歌合戦』だが、「年の瀬の風物詩」と呼ばれたのは今や昔の話。しかし生放送なだけに、令和には考えられないようなハプニングや放送事故のようなシーンも多く放送され、視聴者の注目と話題を集めてきた。

視聴者らのド肝を抜いた伝説の事件、放送事故スレスレの危ないパフォーマンスをプレイバックする。

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紅白が81.4%の歴史的視聴率をたたき出したのは、1963年(昭和38年)の放送。その後、60~70%台を維持してきたが、1986年(昭和61年)に59.4%を記録してからは、視聴率を落としていった。

その節目の年(1986年)に起きたのが、加山雄三の「仮面ライダー事件」だ。

加山はこの年、白組の司会を務めていたが、トップバッターの少年隊を舞台へと送り出す際、「さぁ! 張り切って行こうぜ!」とハッパをかけ、「紅白初出場、少年隊の『仮面ライダー』です!」とノリノリで言い間違え、視聴者をあ然とさせたのである。

NHK関係者によれば、加山はリハーサルのときから少年隊の楽曲『仮面舞踏会』を「仮面ライダーと言い間違えそうだな」と危惧していたという。

ところが、本番では間違ったことにすら気付いておらず、スタッフが指摘すると「あぁ、そうか」と平然と答えたという。

「この出来事は2年前の放送で総合司会を務めていたNHK生方恵一アナが起こした『ミソラ事件』(=紅白出場を最後に芸能界引退宣言していた都はるみを『ミソラ…』と間違えた事件)とほぼ同じだが、違うのは世間の反応。少年隊の衣装が仮面ライダーっぽかったこと、その言い間違いが誰もが知っているヒーローだったため、あ然とした観客や視聴者らの間に笑いが広がったのです」(古参の芸能記者)

老いも若きもが首を傾げ…

一方、下げ止まらない視聴率にNHK編成局が大混迷を見せたのが1992年(平成2年)の放送回だった。

この年の紅白は「21世紀に伝える日本の歌・世界の歌」をコンセプトに、シンディ・ローパーやポール・サイモンをはじめとする外国人歌手を多数招聘した。

ただ、その強引すぎるミスマッチが視聴者に「もはや紅白はどこに向かおうとしているのか」との疑念を生んだのである。

「シンディー・ローパーは和服をアレンジした衣装を身にまとい『涙のオールナイト・ドライヴ』を披露。ポール・サイモンも『明日に架ける橋』を熱唱。しかし、b.b.クィーンズの『おどるポンポコリン』や加藤登紀子の『知床旅情』などとのミスマッチ感に、老いも若きもが首を傾げたほどでした」(同)

ちなみに、前年から2部制となったこの年の視聴率は1部が30.6%、2部が51.5%。現代から考えれば立派な数字だが、このころから“ジリ貧”という言葉が付きまとい始めたのである。