スポーツ

横浜DeNA『ウマ娘』大ヒット資金で筒香嘉智&山口俊ダブル呼び戻し!

横浜スタジアム
横浜スタジアム (C)週刊実話Web

人気スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の大ヒットを契機に、横浜DeNAが反攻に転じる。ドジャースに移籍した筒香嘉智、ジャイアンツ傘下の山口俊を呼び戻し、〝番長〟三浦大輔監督をアシスト。「ウマ娘旋風」で怒涛の追い込みが始まる――!

今季の横浜DeNAが大きく出遅れた原因は、はっきりしている。「新型コロナウイルスの影響で黒字続きだった球団経営が赤字に転じたことがすべて」と横浜DeNA担当記者は語る。

「2012年以来、8年連続で観客動員を伸ばし、コロナ禍前の2019年には228万3524人まで上昇。しかし、昨季は試合数の削減と無観客試合などが響き、46万7700人に落ち込みました。それに伴い、約37億円の黒字決済から昨年は約15億円の赤字に転じ、予算も組み難い状況になったのです。生え抜きの三浦監督を誕生させながら、大きな補強ができなかった。これが舞台裏です」(同)

その上、打率3割2分3厘で昨季セ・リーグ2位のリードオフマン、梶谷隆幸外野手と昨季、先発投手陣の一角を担った井納翔一投手の2人が、FAで巨人に流出。戦力ダウンは明らかだった。

しかし、ここに来て球団を取り巻く経営状況が一変した。スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の神がかり的ヒットで、ハマに神風が吹いたのだ。

『ウマ娘』は2月24日に配信が始まった競馬の育成シミュレーション。競走馬を美少女キャラに擬人化したゲームで、プレイヤーがウマ娘の教育機関「トレセン学園」の新人トレーナーとなり、スペシャルウィークやサイレンススズカ、トウカイテイオー、ゴールドシップといった競馬史に残る名馬をモチーフとした「ウマ娘」に育て上げていく。

筒香を巡る事態は大混迷…

「配信開始から2カ月半で700万ダウンロードを突破し、月間100億円ペースで売れています。競馬好きで知られる楽天の田中将大投手も、どっぷりハマッているそうです」(ゲーム誌編集者)

その『ウマ娘』を手がけるのはCygames社で、同社は過去にヤクルト買収が報じられたサイバーエージェント社の連結子会社だ。今回の『ウマ娘』の課金収入でサイバーエージェントの時価総額は1兆円を突破したという。

DeNAは、2012年にCygamesと資本・業務提携し、同社の株式の20%を保有している。結果、『ウマ娘』の収益はベイスターズにも反映され、遅まきながら大型補強の環境が整ったのだ。

「狙うのは、かつてDeNAの看板選手として活躍後、メジャーに転身した筒香嘉智内野手と山口俊投手。筒香は19年12月にポスティングシステムを利用して2年総額13億2000万円でタンパベイ・レイズに移籍。山口も同年、巨人を経て2年6億9000万円でトロント・ブルージェイズに移籍した」(前出・記者)

その筒香だが、今年5月11日にロースター(公式戦登録40人枠)から外れ、戦力外となった。このため、FAとなって日本球界復帰を含めた争奪戦に発展するかと思われたが、15日にロサンゼルス・ドジャースが獲得を発表。これで「DeNA復帰は消えた」と思われたが、直後にドジャースはエンゼルスから戦力外になっていたアルバート・プホルス内野手の獲得を発表。これで事態は再び混迷し、DeNA復帰の可能性が再浮上したのだ。

「大谷翔平の同僚だったプホルスはメジャー歴代5位の662本塁打を放った、殿堂入りも確実視される超大物。約33億円の高額年俸がネックになり、戦力外になってもどこも手を出せなかった。しかし、ワールドシリーズ連覇を目指すため、ドジャースが獲得。契約した以上、ロースター入りは絶対条件。プホルスを戦力外にするタイミングが筒香の契約と微妙にずれ、何とも間が悪い話になってしまった」(スポーツ紙デスク)

“大逃げ”阪神を横浜DeNAがシンガリ猛追!

一度は筒香の獲得を諦めたDeNAも、プホルスの加入で筒香が余剰戦力になる可能性が高い。このため、三原一晃球団代表は「日本でプレーすることになったら、ベイスターズに戻ってほしい」と、筒香サイドにあらためて伝えたという。

一方の山口は今年2月にブルージェイズを自由契約となり、サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約。招待選手としてキャンプに参加したものの、ロースターから外れ、現在はマイナーで調整している。

両選手とも2年契約の2年目で、今季年俸は契約時の球団に保証されており、生活に困ることはない。日本の球団からすれば獲りやすい環境にあるが、チーム内の年俸バランス、来季以降の契約額を加味すると、容易に受け入れることは難しい。

その点、かつて兄貴分の三浦監督体制となったDeNAなら、チーム内の不協和音を抑えるのも再生も可能。FAで巨人に移籍した山口には今なおアンチも多いが、筒香とのセットでの古巣復帰ならファンも迎え入れやすいという見方だ。

三浦監督は、中央競馬の馬主でも知られ、愛馬リーゼントロックは通算6勝と活躍した。今年は開幕前にマリーナがデビュー9戦目で初勝利した。チームも愛馬同様にスタートで出遅れたが、『ウマ娘』効果で士気が上がりに上がる。

目標はクライマックスシリーズで3位以内に入り、大逆転での日本シリーズ進出。大逃げを打つ猛虎に、シンガリらダークホースが出現した。

あわせて読みたい