国際的に“引っ張りダコ”で価格が高騰! 庶民の食材「タコ」がニッポンの食卓から消える!?

画像はAIで生成したイメージ
正月のおせち料理に欠かせないタコが、全国的な不漁と世界的な価格高騰で、庶民の手に届きにくくなっている。

年末年始に需要が高まることを踏まえると、さらに値上がりしそうだ。

「タコの小売価格は12月初めで、10年前の約2倍以上に跳ね上がり、クロマグロより高くなっています。タコは“多幸”の当て字、酢ダコは紅白という縁起を担いでおせち料理にも使われます。今年は高すぎて庶民の口には入らなくなりますよ。大阪グルメの代表格のたこ焼きも気軽に食べられなくなるのでは」(東京・豊洲市場の水産仲卸業者)

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日本は世界の約3分の2を消費するタコ好き大国。その資源は国内のタコ漁と海外からの輸入で賄われている。

「おせち料理などに使用されているのは国産のタコ。スーパーなどで安く売られているのは西アフリカ産が大半を占めている。ところが近年、日本のタコ漁は不漁続き。とりわけ兵庫県明石市の特産『明石ダコ』は記録的な不漁で、漁獲量はピーク時の約1割にまで落ち込んでいます。西アフリカ産などの輸入タコも世界的な需要の高まりを受け、値上がりしている」(生活ライター)

国際的に高騰し日本は“買い負け”状態

2022年の日本のタコの漁獲量は、約2万2000トン。漁獲量が多い地域は北海道、東北、瀬戸内海、沖縄で、北海道ではミズダコ、ヤナギダコが多く、漁獲量は全国の63%を占めている。瀬戸内海ではマダコが日本一だ。

一方、タコの輸入は20年に3万7700トンで、国内漁獲量を上回る。

輸入国は主に西アフリカのモーリタニアとモロッコだ。

「アメリカでは、タコを『デビルフィッシュ(悪魔の魚)』と呼び敬遠してきたんですが、ヒスパニック系の移民が食べるようになり輸入が急増した。価格も国際的に高騰し、日本は高くてとても手が出せない“買い負け”状態になっている」(水産商社関係者)

総務省の調査では東京23区のタコの小売価格は、11月時点で100グラム534円。マグロは同519円だ。

たこ焼き、明石焼き、タコの握り寿司…これらは庶民にとって“たこ嶺の花”になったようだ。

「週刊実話」1月2日号より