上沢直之のソフトバンク入りは「令和の江川事件」なのか 制度の穴を突く移籍に苦言相次ぐ 新庄監督も激怒か

思い起こされる“空白の1日”騒動 

「新庄監督が上沢のインスタグラムをフォロー解除したんです。彼は選手思いな監督で義理人情に厚いですから、これは異例のことと言えます。昨年に日ハムからソフトバンクへ移籍した近藤健介ですら、フォローを継続している」(野球ライター) プロである以上、より条件の良い球団に行くのは当然だとの擁護も多い。 

しかし、元大洋ホエールズの高木豊氏は、上沢のソフトバンク入りが決まる前の11月にYouTubeで「まずは日本ハムとお話させていただき、日本ハムにしっかり収まるのが筋」「筋は通さないと」などとコメント。 

さらに、このままではポスティングを迂回に使った、国内チームへの移籍が相次いでしまうと、制度の変更まで求めていた。 

今回の移籍は事実上、制度の穴を突いたものであって、対策すべきとの声も多い。 上沢の移籍劇は、かつてドラフトのルールの穴を突き、大バッシング浴びながら読売ジャイアンツへ入団した江川卓氏のような状態だ。 

「江川は1977年のドラフト会議でクラウンライターライオンズ(現・西武ライオンズ)に指名されていたが、巨人は『優先交渉権が翌年のドラフト会議の2日前まで』というルールの穴を突き、78年のドラフト会議前日に江川との契約を発表。球界・政界・日本社会全体を巻き込んだ騒動となり、江川は球界一のヒールになってしまいました。上沢の移籍と嫌われぶりは、さながら“令和の江川”と言えるでしょう」(前出・野球ライター) 

江川をめぐってはその後、子どもの好きなものを指した当時の流行語「巨人・大鵬・卵焼き」になぞらえ、嫌われものの代名詞として「江川・ピーマン・北の湖」なる言葉まで作られた。 

令和の現在は「上沢・パクチー・北青鵬」といったところか。