中国バブル崩壊~恋人にローンを組ませ雲隠れした彼氏は「不動産会社とズブズブの販売代理店営業マン」だった

不動産販売代理店とグル!? 

この女性は不動産売代理店と交渉したが「すでに正規の手数料を支払った」と取り付く島もなく、持ち家の夢が絶たれた女性は、賃貸住まいを続け生活費もかかるため、住宅ローンを返済する余裕がないので、なるべく高値で家を転売することを強く望んでいるという。 

販売代理店は「手数料を割安にします」とビジネスライクに応じているそうだ。 

このニュースを知った視聴者からは、「湖州のマンションは1000万円で買えるのか。どんだけ田舎の物件だ」「売れ残り物件を高値で掴まされた」「たった1週間なんて信じられない。自業自得」「どこかで聞いたことがある古典的な手口」と冷ややかな声が寄せられた。 

そんななか「すぐに警察に通報しなさい。公安警察が必ず逮捕してくれる」「販売代理店とボーイフレンドはグルよ! 二重の手数料を支払うべきではない」という激励もちらほら。未婚女性が餌食にされた詐欺に対して、同情や哀れみこそすれ共感コメントがほぼ見当たらないのはお国柄だろう。 

中国不動産バブル“崩壊”論には諸説ある。しかし「結婚=マイホーム購入」という伝統は根強い。 

中国女性の労働参加率はすでに先進国並みで「男性は結婚のために家を買うが、女性は独身のために家を買う」とさえ言われている。金の切れ目は縁の切れ目を地でゆく中国では不動産価格だけでなく民度も崩壊しつつあるようだ。 

文/北上行夫

北上行夫(きたかみ・ゆきお)

ジャーナリスト。香港メディア企業ファウンダー。2001年より日系コンサルタント会社やローファーム向けに中国本土を含むASEAN販路開拓業務に従事。香港人/日本人/大陸人/華僑の不条理に挟まれ20年余、2018年より日本支社プロジェクトマネージャー。2023年より中華圏マーケット調査&ライターが集う「路遍社」に参画。テーマはメディアが担う経済安全保障。X(旧Twitter):@KitakamiYukio