「死ぬほど、やり返す」大関豊昇龍が綱取り初場所で取り返すことを誓った“幻の3000万円”

相撲のぼり (C)週刊実話Web
今年を締め括る大相撲九州場所は、21年ぶりという大関同士の相星決戦の末、琴桜(27)が豊昇龍(25)を破り、悲願の初優勝をやってのけた。勝った琴桜は大喜びだったが、対照的に負けた豊昇龍の悔しがりようはすさまじかった。

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目を吊り上げて支度部屋に戻ってくると、「くそ〜ッ」と何度も吠え、「(来場所は)死ぬほど、やり返す」と唇を噛みしめていた。

それも無理はない。先に上手を取り、さあ、これからというときに仕切り線に左足を滑らせて転ぶという自滅だったばかりか、この1戦で3000万円以上を失ってしまったからだ。

「大相撲は勝った者が独り占めの世界。豊昇龍は負けたことによって1000万円の優勝賞金と1000万円以上と言われる優勝賞品だけでなく、この1番にかかっていた48本の懸賞金の144万円、さらに十両以上の関取でいる限り場所ごとに支給される報償金の加算金12万円などがすべてパーになってしまった。その上、優勝していれば後援者からの祝い金も相当額あったでしょうから、地団駄を踏んだのも致し方ありません」(大相撲担当記者)

これを取り戻す方法は一つだけ。本人も語っていたように次の初場所(1月12日初日、両国国技館)でやり返すしかないのだ。

九州場所での進化が綱取りの足掛かりに

もっとも、豊昇龍は九州場所で進化を遂げた力士でもあった。これまで投げにこだわり過ぎたため、自滅したり、怪我を繰り返してきた。その投げが影を潜め、積極的に前に出る相撲に変わったのだ。

「それを促したのが、八角理事長のひと言です。秋場所前に巡業を視察したとき、稽古を終えて引き上げる豊昇龍を呼び止め『投げばかりでは上(横綱)に上がれないよ』とアドバイスしたんです。豊昇龍は『あれで目が覚めた。体を大きくして、前に出る稽古をしている』と秋巡業中に話していました。それが、優勝は逃したけど、九州場所の好成績につながったんですよ」(部屋関係者)

目下、豊昇龍は九州各地から近畿を回る冬巡業で猛稽古の真っ最中。もし初場所で綱取りに成功すれば、九州場所の“損”を一気に取り戻すことになる。

「週刊実話」12月26日号より