セレブ婚を夢見て整形美人に…夫に内緒の“顔面詐欺”が招いた人妻の「自業自得」

画像はAIで生成したイメージ
気軽に受けられる「プチ整形(メスなどを使わない施術)」の普及により、美容院かエステに行くような感覚で美容外科を訪れる女性が増えており、世間の美容整形に対する偏見もなくなりつつあるが、もし、アナタの奥さんが「整形美人で、それを隠して結婚した」としたらどうだろうか?

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これに該当するのが、都内在住の秋山亜里沙さん(仮名・34歳)だ。

「お金持ちと結婚して、一生優雅な生活を送るのが夢だった私は、大学在学中から婚活を始めていました。そこで見つけたのが《男性は年収2000万以上が参加条件》というセレブ婚活サークルでした。ただし、ここでは女性の方もそれなりのスペックが求められます。私は有名女子大卒で、実家は吹けば飛ぶような零細企業ではあるけれど、一応経営者。プロポーションもモデル並みだったんですが、顔面だけが残念だったんです」

そんな亜里沙さんが玉の輿にのるべく選んだのが、美容整形だった。

「総額500万円以上」という費用を稼ぐため、亜里沙さんは大学卒業と同時に風俗入り。抜群のプロポーションと客あしらいのうまさで人気を博し、高級店への移籍を繰り返すなどして1年半ほどで費用を工面。満を持して病院の門をくぐったという。

「二重術は言うに及ばず、鼻と顎もやりました。あと、ちょっと豊胸もやってます」

結果、K-POPアイドル並みの顔面とプロポーションを手に入れた亜里沙さんは、7年前、念願かなってIT社長とゴールインを果たした。

「元パソコンオタクで女性に縁がなかったせいか、夫はまったく気づきませんでした。妻が整形美人だなんて夢にも思ってないんじゃないかな。『事情があって親とは疎遠になっている』と言って、私の家族や親戚とは会わせていないし、親友以外、昔の友人とも交流を絶っています。もちろん、昔の写真や画像も処分・削除済みで、卒アルとかでバレるのを避けるために学歴詐称もしています。また、実は結婚前に名前も変えています。意外に知られていないんですが、名前を変えるって1度きりなら意外と簡単にできるんですよ」

完璧なまでの偽装工作! これなら夫にバレる心配はまずなさそうだ。

目下の悩みは「出産」のみ

「お陰さまで夫は私を女神のようにあがめて大切にしてくれますし、私も立派にトロフィーワイフ(※お金や権力を持つ男性が見せびらかすために得たパートナーのこと)の務めを果たしています。お金持ちの夫には女性が群がってくるようですが、見向きもしませんね。『何が悲しくて、嫁よりブスに手を出さなきゃならないんだ?』って言ってくれてます(笑)」

経済面ばかりでなく、精神的・肉体的にも満足させてくれる夫と幸せな結婚生活を営む亜里沙さんにとって、最大のネックは「出産」だ。

「生まれた子供の顔は当然整形前の遺伝子を受け継いでいるわけじゃないですか? いくら半分夫の血が入っているとはいえ、今の私の顔面からはほど遠い子が生まれるのは明らかなんですよ。だからと言って、浮気を疑われたらたまらないし、整形であることがバレるのはもっとイヤ。夫はアラフィフで、私はそろそろアラフォー。年齢的なこともあって夫も真剣に子供を欲しがってるし、どうやって回避しようか悩んでます。不妊症ということにすれば、優しい夫は私を責めたりはしないと思うけど、後継者欲しさに他の女に子供を産ませるようなことがあったら絶対に困るし、最近では毎日が綱渡り気分です」

顔面詐称が招いた「自業自得」と言ったら、言い過ぎだろうか?

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。