もう全部まとめて「オオタニ」でいい! 蝶野正洋が考える「本当の新語・流行語大賞」を大発表!!

蝶野正洋(C)週刊実話Web
2024年の「ユーキャン新語・流行語大賞」が12月2日に発表され、年間大賞には「ふてほど」が選ばれた。

これは人気ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の略称で、今年は裏金問題を筆頭に“不適切”なことが多かったというのも受賞理由のようだ。

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ただ、俺はドジャースの大谷翔平選手に関連した言葉のほうが、相応しかったんじゃないかと思う。

トップ10には「50-50」(シーズン50本塁打&50盗塁)が入っていたけど、もう全部まとめて「ショウヘイ・オオタニ」が流行語大賞でもいいくらいだよ。

あと、ノミネートされた新語で個人的に気になったのが「トクリュウ」だ。

これは匿名・流動的犯罪グループのことで、SNSなどを通じて実行役を集め、特殊詐欺や強盗などを犯す組織のことを指す。

このトクリュウで問題なのは、ある意味で実行犯も被害者ということ。SNSで「簡単にもうけられる仕事がある」という甘い言葉で募集された求人、いわゆる“闇バイト”にお金がない学生なんかが応募してしまう。

あとで犯罪だと分かっても、個人情報がバレていて「家族に危害を加える」などと脅されると断れず、実行役に仕立て上げられてしまうんだよ。

もちろん、脅されたとはいえ、犯罪行為を実行したのなら罪を償わなければいけない。

だけど、最も悪いのはバックで操っている指示役なんだよ。こいつらを追い詰めないと、闇バイトの被害を根絶できない。

ただ、指示役の潜伏先が海外だったりするから厄介なんだよ。

海外にいる間は手が出せないし、なんとか足取りをつかんでも日本と「犯罪人引き渡し条約」を結んでいない国だと、容疑者の身柄を確保するのは外交次第になる。

また、闇バイトはSNSやメールで募集をかけているから、そのやり取りをたどれば指示役を追い詰めることもできるはず。

だけど、このSNSを運営しているのは民間企業だし、メールはプライバシー性の高い個人情報だから、踏み込みにくい部分があるんだと思う。

足りなさを補う力が大切

こうした問題を乗り越えて、俺は犯罪性の高いメールをチェックできるシステムやルールを作るべきだと思う。

それには警察だけでなく、関係各所と横の連携というのが欠かせない。

日本の公安や行政は縦割り組織で、連携力が弱いというのは以前から指摘されている。

ただ、俺は縦割りというのも、それはそれで意味があると感じている。

例えば「防犯」は社会全般に関わるため、地方自治体、警察、消防、自衛隊、そして各省庁がそれぞれ独自で防犯という役割を担っている。

逆にそれらをすべて一つの組織でまとめてやるのは無理だし、際限が無くなってしまう。

だから、あえて専門性で振り分けて、縦割りの組織にしているんだよね。

問題は、それに慣れてしまうことなんだよ。

それぞれの組織がどの部分を担っているのかを意識して、必要なときに協力して足りないところを補い合うことを常に考えていれば、自然とやるべきことが見えてくるはずだ。

大谷選手だって、1人じゃ野球はできない。

犯罪などの不適切な事案に対応していくためには、個人の能力はもちろん、チームワークが大切なんだよ。

「週刊実話」12月26日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。