小倉智昭さんはネット史に残る偉大な存在だった? 訃報に“あの動画”を思い出すネットユーザー続出



ネット史に残る人物だった小倉智昭さん

訃報に際し、SNSでは同動画とともに追悼文を投稿する不届きなユーザーが続出。

しかし、これが却って小倉さんがネット文化に与えた影響の大きさを示しているとして、長年のネットユーザーからは、

《「ネットのフェイク動画史」を作るなら、年表に太字で載るレベルで、フェイク動画の存在を世に知らしめた人にもなったよね小倉さん》
《ヅラが落ちるフェイク動画が出回ったけど、誰がどう作ったんだ 当時を考えると無駄に技術力あったと思う》
《おはようございますと頭を下げた瞬間、ヅラが落ちるやつ、フェイク動画の走りだったな…》
《すんごい昔でまだ動画投稿があまり一般的じゃない時期にこれだけ凝ったフェイク動画を作ったのがすごいんだよな》

など、その偉大さが改めて評価されている。

「ここ最近のAIの発達は弊害も招いており、各国の指導者が問題発言をする偽の動画が拡散されるほか、著名人を騙った投資詐欺広告に使われている。しかし、小倉さんは20年も前からフェイク動画の被害に遭っていたわけです」(前出・サブカルライター)

小倉さんといえば、インターネットどころかパソコン通信すら普及していなかった80年代に、パソコンやプログラミング、ソフトウェアなどを紹介する情報番組『パソコンサンデー』(テレビ東京系)の司会も務めていた。

アーリーアダプターとしていち早くPCやネットの有用性に気づいていたが、『とくダネ!』ではネットの意見やネット犯罪に厳しく、敵意すら感じられる発言も多かった。

「『パソコンサンデー』時代の『PC・ネットは明るい未来の技術』という思考から、フェイク動画被害を経て、『人々の憎悪を剥き出しにする危険なもの』という風に、小倉さんの中でイメージが変わったのかもしれません。しかし、現在こうした認識は世界中に広まり、先進国ではSNSを法律で禁止する国も増えていますから、小倉さんはこの分野で相当な先見の明があったと言えるのでは」(デジタル専門誌編集)

ある意味で、小倉さんはネットに愛された人生だったのかもしれない。