小倉智昭さんが生前語っていた“メディアへの圧力” 番組終了の危機に「日本不毛協会」と恨み言



『とくダネ!』内で圧力をバラしながら謝罪

番組終了から2カ月後、小倉さんは『とくダネ!』を振り返る週刊誌のインタビューで、相撲協会からの圧力について語っていた。

《最大のピンチというと、日本相撲協会とやりあったこと》《09年、横綱だった朝青龍がケガから3場所ぶりに復帰するというテーマを扱った時のことです》として、《当時、話題になっていた講談社と相撲協会の「八百長裁判」にひっかけて「星が買えればいいのにね」と言った》と自身の発言を振り返った。

そして、《そうしたら相撲協会の広報部長、当時は元横綱千代の富士の九重さんがやっていたのですが、えらい剣幕でフジテレビに怒ってきまして》と暴露。

フジテレビが謝罪を求めてきたので《なぜ謝罪するのかも含めてきっちり言わせてもらうけど、それでもいい?》と聞いたところそれでいいと返事があり、番組内で《相撲協会から抗議があり、謝罪しなければ今後、大相撲の映像は一切貸さない、と。フジが勧進元をしている大相撲トーナメントもやらせない可能性がある、と。そこまで言われたら謝らないわけにはいかないでしょ》と話したのだとか。

すると、視聴者の非難の矛先が相撲協会に向かい、抗議の電話が殺到してしまったという。

これで遺恨が生まれたのか、18年1月5日にも、小倉さんは当時の貴乃花親方に理事解任・2階級降格の処分を決議した日本相撲協会を「日本不毛協会」と揶揄。捨て身の皮肉を放ったのだった。

「小倉さんは11年、島田紳助氏の引退に際し、原因となった暴力団との交際を『皆さんの周辺でも、知らないうちにそういう人が解決してくれるってことは起こるはず』などと紳助氏を擁護。公共の電波で反社を容認したと大問題となり、2日後の放送で謝罪しました。他にも、番組存続にかかわるさまざまな失言をしてきましたが、その小倉さんが『日本相撲協会を怒らせたのは最大のピンチだった』と語る辺り、同協会の闇がうかがえますね」(フリージャーナリスト)

今では自主規制や忖度で、率直な発言をするキャスターもいなくなってしまった。

小倉さんの逝去は、テレビ界にとって一つの区切りといえるかもしれない。