マルティネス争奪戦からソフトバンクが手を引いたワケ 選手流出と批判続出で球界から総スカン

野球ボール(画像はAIで生成したイメージ)
今オフの国内FA(フリーエージェント)市場の「真の主役」は、中日との3年契約が終了した絶対的守護神のライデル・マルティネス(28)だ。

「交渉相手はキューバ政府になります。マネー戦争は必至ですが、どうなるのか。まったく読めません」(名古屋在住記者)

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日本シリーズ終了直後、福岡ソフトバンクホークスが、2022、’24年のセーブ王・マルティネスの争奪戦に名乗りを上げた。巨大資金を持つホークスの参戦で、一時は「勝負アリ」とみられたが、ここに来て横浜DeNAベイスターズ優勢の情報も飛び込んできた。

「DeNAや巨人、日ハムの名前が挙がっています。古巣中日も交渉できますが、再契約交渉に失敗しているため中日残留の可能性はほぼないでしょう。ソフトバンクは撤退しました」(同)

ソフトバンク撤退の表向きの理由は、外国人選手の一軍登録枠だが、本当の理由は「DeNAの参入」だという。 

「ソフトバンクは育成と補強の両方に金を掛けてきました。今季優勝の要因は、小久保裕紀監督(53)の采配や選手起用の巧さではなく補強です。それに加えて日本シリーズでの敗退が重なり、マルティネス争奪戦の話が出た途端、批判の声が高くなってきました」(球界関係者)

補強と外様厚遇に批判が集中

日本シリーズ第3戦の試合前だった。ソフトバンクの村上隆行コーチがDeNA先発の東克樹を指して、「(オリックスの)宮城(大弥)の方が断然いいので」と発言。同試合以降、ソフトバンクは全敗し日本一を逃した。

それで思い出されるのが、’89年の日本シリーズだ。3連勝した近鉄が巨人を「ロッテより弱い」と誹謗。しかし、その年のパ・リーグ最下位球団よりも劣ると言われた側の巨人打線に火をつけてしまい4連敗。有名な話だが、その第7戦の最後のバッターが村上コーチだった。

「日本シリーズではDeNAの筒香嘉智が有原航平から本塁打を放ちました。共に元MLB選手ですが、有原は年俸5億円を提示されてソフトバンク入り、筒香は高額年俸ではなく“古巣愛”を貫きました。今オフのFA市場にしても、ソフトバンクの甲斐拓也が権利行使した理由は、『外様選手への好待遇』です」(同)

ソフトバンク若手のリチャードも契約更改の席では不満を訴えた。山川穂高の加入で出場機会が激減したからだ。

過剰な補強と外様厚遇。いつの間にかチームの内外で批判の目にさらされるようになったソフトバンクは、日本シリーズ第2ラウンドのマルティネス争奪戦でも「途中棄権」の不戦敗に終わったようだ。

「週刊実話」12月19日号より一部内容を変更