各駅停車しか止まらない駅にはいい店がある―品川区・荏原町『大衆酒場チャーリー』【男がほれる酒と肴「ホの字酒場」第8回】

店名は店主の自転車好きに由来する。
各駅停車しか止まらない駅にはいい店がある。なぜなら大きな街はチェーン店ばかりで、個性を失ってしまったからだ。

小さな荏原町駅の改札を出てしばらく歩くと、緑道沿いに見えるのが『大衆酒場チャーリー』。都内にあるもつ焼きの名店で長く働いた後、独立し自分の城を構えたのが5年前のこと。

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まだ若き店主だが、焼き場に立つ後ろ姿はなかなか様になっている。愛想がないぶん、それがまた名店の風格を漂わせる。
自家製らっきょう漬けは最高の酒のアテ
独自のルートを使って開拓したという豚肉は、処理工場直送。柔らかくうまみが強いのが特徴だ。
カリカリ、コリコリの白もつの唐揚げ(490円)
看板メニューはオリジナルの肉巻き串。中でも人気のハラペーニョは、豚肉のうまみと唐辛子の酸味で酒が進むこと間違いなし。これしか頼まない常連がいるのも納得だ。
豚肉のうまみと唐辛子の酸味で酒が進む。左からBLT(ベーコン、レタス、トマト)、ハラペーニョ、荏原巻き(ニラ)。肉巻き串は300円から
長野県産のみそを使ったもつ煮込みもぜひ食べたい。舌にしっかりと残るもつとみその風味。これはビールと合わせるしかないだろう。
長野県産のみそは数種類あり、その日によって使い分ける。「もつ煮込み」500円、オリジナルのクラフトビールも人気(750円)
店の近くにはいい銭湯がある。風呂上がりの火照った体でカウンターに座り、ビールで喉を潤しながら、肉の焼ける香りとともにメニューを眺める。これ以上の休日があるだろうか。
大衆酒場チャーリー
『大衆酒場チャーリー』
東京都品川区中延5-14-3
03-6421-6063
営業時間17時~24時
休み:火曜日 

撮影・文/キンマサタカ 
「週刊実話」9月5日号より