家族の制止を振り切りコロナ禍に遠征デートを続けたシニア男性の覚悟 ~欲望に命をかける高齢者(1)~
「濃厚接触」は20回も
田村さんは、こっそり知人の車を借りることにしたという。
「福島出身のゲートボール仲間から車を借りました。その人の車はいわきナンバーだったので、福島県内に入ってもナンバー狩りに遭わずに済むじゃないですか? 渡りに舟みたいなもんですよ」
かくして田村さんは家族の目を盗んで家を抜け出し、高速道路を使って片道3時間の距離を運転してデートに向かったのである。
「一応お互いの身体のことを考えてマスクは二重にしていましたし、消毒液も持って行きました。いつもは最寄りのスーパーで飲み物とかお菓子とか買って行くんですが、不特定多数の人間と接触しないために省略。一切寄り道せず直行しました」
数々の困難(?)を乗り越えて会いに来てくれた恋人をA子さんは大喜びで出迎えてくれ、水入らずの時間を過ごしたという。
「最初はソーシャルディスタンスということで2メートルくらい離れて座り、お互いマスクをしたまま会話をしていたのですが、それじゃあハグもキスもできないし、一緒にいる意味がないじゃないですか?」
「会いに来た意味がない」と訴える田村さんにA子さんも賛同。ふたりはいつものように「濃厚接触」になだれこんだという。
「なんだかんだで、コロナ禍の間に20回くらい遠征デートして、濃厚接触していました(笑)」
ちなみに、「家族からの感染で2回ほどコロナにかかった」という田村さんだが、思いのほか症状が軽かったそう。
「そりゃそうですよ。重篤化なんかしたら彼女に会いに行けないじゃないですか? 根性でやり過ごしました」
年齢も時代も関係なし。恋の力は偉大である。
取材・文/清水芽々
清水芽々(しみず・めめ)
1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。
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