商店街の一角にある“大人のドリンクバー” 大田区・東雪谷『鯰屋』【男がほれる酒と肴「ホの字酒場」第6回】

焼き鳥や精肉を販売する『鳥岡商店』の隣を立ち飲みとしている。
どんな商店街にも夕方に行列ができる、テイクアウトに特化した焼き鳥屋がある。買った後にここで飲めたらどんなにいいだろうと思っていた。

演歌にもなった東急池上線。その小さな駅から徒歩10分。夕暮れ時にはおかずを求めるお母さんが列を成す。その横に「鯰屋」と書かれたのれんがあり、扉を開けると小さなテーブルとドリンクサーバー。テレビには相撲が流れているが店員はいない。

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「好きなようにやっちゃって」

隣の調理場から顔を出した店主が笑顔で言う。この一角は完全セルフサービスで、食べたい物は紙に書いて店主に持参する。
ネパール出身のお兄さんは串焼きの達人
恐る恐るサーバーに手を伸ばす。ギリギリまでビールを注ぐ緊張感。ここは大人のドリンクバーらしい。
自分で注ぐ生ビールは480円。会計は自己申告制。
自慢の鶏肉は有名店にも卸しているとあって、味はお墨付き。炭火で豪快に焼き上げた串で酒が進まないわけがない。
「手羽先」200円
私の飲みっぷりに感心したのか、「だったらこれも」と店主がどんどんつまみを持ってくる。
串の他に総菜も充実している。
外では子供が買ってもらったばかりの串をおいしそうに食べている。こちらは相撲に夢中になり、どんどんメートルが上がっていく。大人ってのはいいもんだ。

撮影・文/キンマサタカ
「週刊実話」8月15日号より

鯰屋
『鯰屋』(なまずや)
東京都大田区東雪谷3-19-17
03-3727-8300
営業時間12時~20時
休み:火