『孤独のグルメ』で紹介されたカレーライスはお酒のアテにもなる 文京区・根津を代表する居酒屋『すみれ』【男がほれる酒と肴「ホの字酒場」第5回】

人気ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京)でも取り上げられたお店の名物。意外と辛くて酒のアテとしても活躍する。「カレーライス」 700円
1970年オープンの『すみれ』は、根津を代表する居酒屋だ。2代目のおかみが母親から店を継いで足かけ4年がたつが、先代からの常連もまだ元気である。

座席はカウンター8席のみ。案内された席に腰を下ろして店内を見渡す。黒板の手書きメニュー、清潔なカウンター。「ここはいい店だ」という確信が生まれる。いや、酒飲みの勘をバカにしてはいけない。

【関連】1人でも静かに飲める女性芸人が営む穴場 世田谷区・三軒茶屋『なっちゃん。』【男がほれる酒と肴「ホの字酒場」第4回】 ほか

この日の突き出しは酢の物。

「今日みたいに暑い日は、さっぱりとしたものがいいもんね」
根津育ちのおかみ。通いたくなる店にはすてきなママがいる。
こういう気配りはいつだってうれしいものだ。

まずはビールで乾杯。ワンオペゆえメニュー数は限られるが、「常連が飽きないように工夫している」から、適当に頼めば間違いない。
「鮭かま焼き」700円と生ビール(生は夏季のみ・650円)
こじんまりとした店なので、おかみの手が空くと、自然と会話も弾む。その一方で、隣に座っていた若者たちは静かに酒を愛でている。いい酒飲みに年齢は関係ないようだ。

「うちは、変なお客さんがいないのよね~なんでだろ」

それはこの店で、酒飲みとしての徳を積んでいるからだろう。

いつもの乾杯が、特別な夜になる。そんな店を見つけた気がした。

撮影・文/キンマサタカ
「週刊実話」8月8日号より
すみれ
『すみれ』
東京都文京区根津2-24-8
03-3821-8941
営業時間18時~23時
休み:火・水・日