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“北の女帝”金与正が激怒!韓国からバラまかれる誹謗ビラ攻撃

“北の女帝”金与正が激怒!韓国からバラまかれる誹謗ビラ攻撃
“北の女帝”金与正が激怒!(画像) Krakenimages.com / shutterstock

韓国警察は5月6日、脱北者団体「自由北韓(北韓=北朝鮮のこと)運動連合(FFNK)」を率いる朴相学代表の事務所などを家宅捜索した。

朴氏は同日、記者団に「愛する北朝鮮の同胞たちに(北朝鮮の)事実、真実に関する脱北者たちからの手紙を送ることが、なぜ犯罪視されるのか」と強く反発した。

5月2日に北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正宣伝扇動部副部長がビラ散布を非難する談話を発表してから4日後、まさに〝すぐやる課〟である。

FFNKは4月30日に、「先週2回にわたって、北朝鮮の体制や核・ミサイル開発を続けていることを批判するビラを50万枚、小冊子500冊、米国通貨1ドル紙幣(約109円)5000枚を大型風船10個に括りつけ、北朝鮮に向けて飛ばした」と発表していた。

昨年6月、与正氏は脱北者団体のビラ散布について、開城の南北共同連絡事務所の撤去と韓国側に対する武力行使を示唆する談話を発表。その4日後、予告通り同事務所を爆破している。

すると、韓国はすぐさま「改正南北関係発展法」の検討に入り、今年3月からの施行を決めた。同法に違反した場合、3年以下の懲役か3000万ウォン(約290万円)以下の罰金刑に処される。同法は改正の経緯から「金与正下命法」と揶揄され、脱北者団体だけでなく、欧米からも強い非難を浴びている。

「今回のビラ散布は同法の施行後、初めてのことです。与正氏は5月2日の談話で『南側(韓国)で起きているゴミどものうごめきを我が国家に対する深刻な挑発とみなし、脱北者の無分別な妄動を再び放置し、阻止しなかった責任は、南朝鮮(韓国)当局が負うことになるだろう』と、強力な対抗措置に乗り出す可能性があることを明言しました」(北朝鮮に詳しい事情通)

「北の2000万の同胞に真実を伝えていく!」

〝与正談話〟の直後、韓国統一部は今回の対北ビラ散布について「北朝鮮を含むいかなる誰も、韓半島(朝鮮半島)で緊張をつくる行為に対して反対する」と発表した。

「この『北朝鮮を含むいかなる誰も』という部分は、緊張をつくる行為の主体が、北朝鮮以外にあるとも取れるニュアンスです。脱北者団体を念頭に置いたものと解釈していいでしょう。実際、与正談話が発せられた日の午後には、韓国警察トップの金昌龍・警察庁長官が『迅速かつ徹底した捜査を行い、厳正に処理するよう指示した』と発表し、それがFFNKガサ入れの号砲になりました。韓国統一部や警察は、一体どこの国の機関なのでしょうか」(国際ジャーナリスト)

当然のことながらFFNKも、同法に対して強い怒りをあらわにし、朴代表は文在寅大統領と韓国統一部を批判している。

「人類最悪の世襲独裁者、金正恩の味方になり、北の人民の自由と解放を目指して闘争する脱北者を厳しく弾圧している。3年ではなく30年の懲役刑、たとえ、絞首台に立つことになろうとも、ぼろをまとい、ひもじい思いをしている北の2000万の同胞に真実を伝えていく」

これに対して韓国統一部は、同法はあくまで「南北軍事境界線の近くで暮らす韓国国民の安全を図るための法律である」と説明しているが、核兵器よりビラのほうが危険とする論理は詭弁の域を出ない。

「ビラを飛ばしたとされる当日の風向きなどから、50万枚のほとんどは韓国側に落下したとの見方もありますが、文氏に忖度する警察サイドは『散布未遂も処罰の対象』と説明している。一方、北朝鮮にとっても、たかが紙切れと高を括っていられない切迫した事情があります」(北朝鮮ウオッチャー)

金与正は世界で最も核ボタンに近い女性

実際、北朝鮮は昨年12月4日の最高人民会議常任委員会の総会で、「反動的思想・文化排撃法」を採択している。その27条には《南朝鮮の映画、録画物、編集物、図書、歌、図画、写真などを直接見たり聞いたり保管した者は、5年以上15年以下の労働教化刑(懲役刑)を宣告され、禁止コンテンツを流布させた者は、無期労働教化刑(無期懲役刑)や死刑など最高刑に処す》とあり、我々日本人には想像もつかないほど厳しい法律である。

「ビラの文面が正恩氏、与正氏の出自に触れているだけならまだしも、中には正恩氏を後ろから銃殺している絵柄まであった。つまり、体制維持を脅かし、クーデターをそそのかすようなビラは、金兄妹にとって脅威でもある。北朝鮮サイドの思考回路からすれば、与正氏が過剰反応するのも当然なのです」(同)

さて、与正氏が談話で示唆した「強力な対応措置に乗り出す可能性」は、本当にあるのだろうか。

「北朝鮮は節目節目で挑発的な行動に出る前科があります。5月21日は米韓首脳会談が行われる予定ですし、6月5日は海軍の日、12日が米朝首脳会談(シンガポール)3周年、25日が朝鮮戦争勃発日、7月3日は戦略軍創設日、4日が米国の独立記念日、27日が朝鮮戦争休戦日となっています。バイデン政権が北朝鮮政策の見直し完了を公表していることから、米国に対して核保有国を宣言する意味を込めて、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の実験を行うかもしれません。その予兆はあります」(軍事アナリスト)

与正氏は世界で最も核ボタンに近い女性である。本人にどこまで自覚があるか、その真意は測りかねるが…。

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