豊漁から一転、秋の味覚に早くも異変! サンマが減少の一方で“あの幻の高級魚”の水揚げが増加中

サンマ(C)週刊実話Web
9月25日、北海道根室市の花咲港で今季1番となる約100トンのサンマが水揚げされ、2019年以来、5年ぶりの豊漁に港は沸いた。

最盛期を迎えたサンマ漁だが、今後、海水温の影響で不漁が予想されるという。

一方、九州では同じく海水温の上昇で“幻の高級魚”クエの水揚げが増加し、大相撲九州場所(11月10日初日)を前に地元の人々を歓喜させている。

今年のサンマの来遊量について、水産研究・教育機構は7月の『サンマ長期漁海況予報』(道東〜常磐海域)で「低水準(昨年と同水準)」と発表していた。

【関連】異常気象が原因 今年も秋サケ歴史的不漁で筋子、イクラがさらに庶民の手が届かない存在に ほか

「その要因として、黒潮の北上と周囲よりも海水温が高い暖水渦を指摘しています。実際、南からの黒潮が通常よりも北上し、黒潮から分かれた暖水渦が北海道東部沖に停滞。サンマが沿岸に近寄らなくなっている。安い値段で脂が乗った太ったサンマを食べたいなら、お早めに。今後は水揚げ高が減るはずです」(東京・豊洲市場水産仲卸業者)

海水温の上昇は、九州にも異変をもたらしていた。

「九州北部の玄界灘では約10年前から海藻が消滅していっており、沖縄の海で見られるサンゴや熱帯魚が増え続けているんです」(漁業情報センター関係者)

熱帯域の魚の水揚げも増加

東シナ海や南シナ海、西日本の沿岸域に分布するクエや熱帯魚だけでなく、ハタ類のスジアラ、アカハタ、オオモンハタといったサンゴ礁域&熱帯域の魚が九州近海で増加しているのだ。

クエは九州では「アラ」と呼ばれ、ユネスコの無形文化遺産に登録されている11月の「唐津くんち」(佐賀県)の際、姿煮が振る舞われる。

また、九州では相撲にも縁がある魚としても知られている。

「人気漫画『美味しんぼ』で、クエは“横綱の好物”として登場しています。大相撲九州場所で優勝した力士には鯛ではなく、30キロくらいの巨大なクエがプレゼントされる。首都圏でクエ約3キロの市場価格は3万円くらい。高級な魚です。九州場所を前に“豊漁で幻の高級魚にありつけるのでは”と地元民も期待していますよ」(グルメライター)

サンマはいま、クエはこれからがまさに“食いどき”だ。

「週刊実話」11月7・14日号より