地上波放送禁止!? 西田敏行さん主演の映画『釣りバカ日誌』が金曜ロードショーで放送されなかったワケ



現代では不適切にもほどがある?

特に放送を求める声が多かったのは、映画『釣りバカ日誌』シリーズだ。

「1988年から20年続いた『釣りバカ日誌』は、言わずと知れた西田さん主演の大ヒット映画シリーズ。TBSなど他局でも放送されましたが、金ローでもこれまで31回と、ジブリ並みに放送されています」(テレビ誌記者)

しかし、同シリーズが最後に金ローで放送されたのは、“スーさん”こと鈴木一之助役を務めた三國連太郎さんが亡くなった2013年。それから、なぜ10年以上も放送されていないのか。

影響しているとされるのが、“不適切にもほどがある”当時の描写だ。

「1作目が公開されたのは、年号が昭和から平成に変わる2週間前の88年末。当時は日本初のセクハラ裁判すら行われておらず、上司が女性社員のお尻を触ることが挨拶代わりの時代でした。それゆえに、会社でのシーンが多い映画は、今見ると“不適切”だらけ。三國さん演じる社長が、女性社員に『処女みたいな顔してどこで子どもの作り方を覚えたんだか』と話すシーンが、社内の軽い冗談レベルに描写されています」(映画ライター)

シリーズをさかのぼればさかのぼるほど、作品内にはパワハラ・セクハラ的描写や、喫煙など時代を感じるシーンが多い。

「舞台のゼネコンは女性も含めて喫煙者だらけな上、分煙もせずオフィスでプカプカ。これを谷啓さん演じる佐々木課長が『吸いなさんな! 女の子がみっともない』とジェンダー差別的に叱り、そこにパチンコで勝った西田さん演じるハマちゃんが現れ、『もう、性的興奮があった!』と景品をお裾分け。課長は社員の面前でハマちゃんを叱責しますし、現代ではあり得ないシーンばかりです」(同)

コンプライアンスに厳しい現代の地上波とはいえ、『釣りバカ』は西田さんの代表作なだけに、なんとか追悼放送してもらいたいところだが…。

BSテレ東で渥美清さん主演の映画『男はつらいよ』シリーズと交互に放送されているが、そちらを待つしかないのだろうか。