保護児童が引き起こす暴力沙汰やイジメ、性加害が横行! ヤバすぎる児童相談所の過酷な勤務実態(2)



他の子を妬みいじめに走るケースも

「中学生以上になると、女性職員に対する性加害に発展することもあります。私が知っている例ですと、過剰なスキンシップを求めてきた子供を女性職員が咎めたところ、逆上して襲い掛かったというものです。子供の方は母親に甘えるような感じでいたみたいですが、職員にとっては猥褻行為でしかなかったのです。ここに保護される子供は他者との距離感が分からないことが多いです」

距離感が分からないだけでなく「他者を尊重できない」子供たちは往々にして「いじめ」に走るという。

「自分より恵まれた境遇にいる子や職員の評判の良い子に対する妬みから、暴言を吐いたり、暴力をふるったりすることがあります。ここは集団生活の場とは言っても、子供たちは個別に過ごすことが多いので、子供同士で結託するということはほとんどないのですが、面白がっていじめに加担するパターンがあるのです」

こういったトラブルを避けるためか、施設によっては子供たちの行動を監視したり、厳しく制限するところもあるそうだが、かえって反感を招くなど裏目に出ることもあるらしい。

肉親でさえ手を焼くことが多い、多感な時期の子供たちを相手にする職員らの苦労は察して余りある。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。