関東各地で送電用銅線ケーブルの盗難被害が急増 事件の裏に「匿名・流動型犯罪グループ」か

画像はAIで生成したイメージ
世界的な金属価格の高騰を背景に、太陽光発電施設の送電用銅線ケーブルが盗まれる被害が関東を中心に急増している。

今年6月までの半年間に、全国で4161件発生しており、昨年1年間の被害5361件を上回るペースだ。

「太陽光発電施設は、人目につきにくい山間部にあることが多い。防犯カメラを備え付けていても、無人の時間が長いため、標的にされやすいんです。しかも、窃盗グループは約5分で現場を立ち去る早業でケーブルを盗み出す。窃盗犯は感電の危険があるのに怯まない。銅線ケーブルが高く売れるからです」(警察関係者)

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金属盗難全体に占めるケーブル盗難の割合は、2023年に32.9%だったが、24年上半期は38.7%に上昇。約9割が関東で発生している。

都道府県別の内訳は茨城県が1196件と最多で、次に栃木県の821件、千葉県733件、群馬県617件となっている。

拠点はカンボジアか!?

また、三重県でも23年には金属類の窃盗が347件に上り、21年の168件から倍増。中でも送電用銅線ケーブルの被害が多発しており、今年は8月末までの間に215件も発生している。

「警察当局は外国人を含む『匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)』が関与しているとみて、対策強化に乗り出していますよ」(全国紙社会部記者)

警視庁捜査3課は8月に群馬県内の太陽光発電施設に金網を切って侵入し、銅のケーブル約160メートル分(時価約7万円相当)を盗んだとして、タイ国籍の男4人を逮捕。男たちは1回5万円の報酬を受け取って犯行を繰り返していた。

同課は指示役の上位者がいるとみて捜査を続けている。

「今年上半期に銅線ケーブルを盗んだとして摘発された犯人グループのうち、6割以上を外国人が占めている。検挙された60人のうちカンボジア国籍が28人と最多。次に日本21人、タイ5人、ベトナム4人、ラオス2人と続いています。捜査当局はトクリュウの拠点がカンボジアにあり、胴元は暴力団関係者とみている」(事件ライター)

金属窃盗でもトクリュウが暗躍している。

「週刊実話」10月31日号より