逃亡中の元日産会長カルロス・ゴーン被告がレバノン空爆で迎えた“年貢の納め時”

空爆に遭う街(画像はAIで生成したイメージ)
中東のイスラエルがパレスチナのガザ地区への攻撃に加え、レバノンへの攻勢に出ている。

レバノンといえば、日本から逃亡した日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(70)が潜伏している国だ。イスラエルは地上軍の派遣や空爆など攻撃を強めるが、ゴーン被告は他国に脱出することもできず、危機一髪の状況に追い込まれているとみられている。

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イスラエルはパレスチナのガザ地区を主な拠点とするイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘を1年にわたり続けてきたが、このところイスラム教シーア派組織ヒズボラと戦うために、レバノンへの空爆のほか、地上軍の侵攻も開始した。

「イスラエルは、ヒズボラとの戦闘について、背後で支援しているイランとの代理戦争だと捉えています。このため一歩も引く気はなく、レバノン南部から投入した地上軍では新たに馬師団を投入して攻撃範囲を拡大しています。さらには首都のベイルートなどを標的とした空爆を続けています」(安全保障アナリスト)

イスラエルの人質となり日本に引き渡される可能性も

そのベイルートに滞在しているゴーン被告。日産を私物化したなどとして会社法違反(特別背任)等の罪で起訴され保釈中の2019年末、プライベートジェットで極秘逃亡し、逃げ込んだ先が両親の母国で国籍を持つレバノンだった。

「レバノンにとってゴーン被告は祖国の英雄で、大統領になるとの観測もあったほど。その後、住宅からの立ち退きを迫られたり、ベイルートの港湾で起きた爆発事故で自宅が損壊したり、日産に裁判を起こしたりとドタバタが続いています」(大手紙外信デスク)

イスラエルがレバノンへの攻撃を強めると、ゴーン被告の身も危うくなるのは当然。だが、日本とフランスの当局から逮捕状が出て国際手配されているゴーン被告は出国することもできず、レバノン国内にとどまるしかないのが現実だ。

「レバノンは経済が破綻し、国家は崩壊状態。ゴーン被告がいつまでも政権の庇護下にあるとは限りません。最悪の場合、イスラエルの人質になって日本に引き渡されることもある」(同)

日本から逃亡したゴーン被告についに天罰が下るのか。

「週刊実話」10月31日号より