看板は「もつ焼き」、オススメは冷めてもうまい「レバニラいため」 目黒区・西小山『豚゛太郎』【男がほれる酒と肴「ホの字酒場」第2回】

眺めるだけでわくわくする短冊のメニュー
テレビでは『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が人気だが、酒飲みが最も興奮するのは、住宅街にポツンとある居酒屋である。最寄りの西小山駅から徒歩10分。辺ぴな場所に『豚゛太郎』(どんたろう)はある。

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店に入れば炭火で串を焼くいい香りがする。持ち帰りの焼き鳥店から居酒屋になって56年。若き日に一流ホテルで修行したという店主は、70歳を越えた今も研究熱心だ。
夫婦二人で店を切り盛りしているため注文は紙に書いて手渡したい
「定休日は新しい店を探して飲みに行く」と胸を張るが、単に酒が好きなのだろう。

看板はやはりもつ焼き。昔は芝浦の市場まで毎日仕入れに行っていたという、目利きの店主が厳選したもつに外れなし。

人気のつくねは、細かく砕いた鳥軟骨がアクセント。塩もいいがここはタレでいきたい。なぜならホッピーには甘めのタレがよく合うからだ。
「つくね」220円、「生ビール(中)」600円
レバニラは中華料理店のそれと違って、優しい味付けで、なによりレバーのうまさに驚く。そして冷めてもうまい。
強火でさっと炒めた新鮮なレバーと、他にはない味付けがたまらない「レバニラいため」 750円
ふと店内を見れば家族連れが楽しく食事をする横で、カウンターの端に座るロマンスグレーの紳士は文庫本を開いている。

もつ煮込みは7時間以上じっくり煮込んだ自慢の一品で、これだけで何杯でも飲める。550円
居酒屋とは自由な場所。そんな当たり前のことを教えてくれる名店である。

撮影・文/キンマサタカ
「週刊実話」7月18日号より
豚゛太郎

『豚゛太郎(どんたろう)』

東京都目黒区原町2-2-19

03-3711-1642

営業時間17時~22時30分

休み:月曜