異常気象が原因 今年も秋サケ歴史的不漁で筋子、イクラがさらに庶民の手が届かない存在に

画像はAIで生成したイメージ
9月25日、北海道根室市の花咲港で今季一番となる約1000トンのサンマが水揚げされた。

2019年以来、5年ぶりの大漁だが、サンマと並ぶ秋の味覚の代表格のサケが、今年も歴史的不漁で食卓の座がサケからサーモン(鱒)に変わろうとしている。

北海道の秋サケ漁は昨年10月時点で漁獲量は前年同期の約7割弱止まり。原因は9月に入っても、海水の高温状態が続いたため、秋サケが沿岸に近づかなかったからだ。東北地方でも、秋サケの漁獲量は大きく減っているのだ。

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「北海道の知床・斜里町では1キロ沖合で秋サケ漁が行われていますが、19年9月には10日間で40トンの漁獲量があったんですが、昨年は12.5トン。その後も減り続けて、今年はわずか4トン。5年前の10分の1にまで激減しました。道内の漁業関係者によると、不漁は北海道沿岸の高温化が大きいようです。反対にブリなどの温かい海域にいる魚が捕れています」(漁業情報センター関係者)

切り身が2切れで850円

当然、秋サケの不漁は筋子、イクラの価格にも影響をきたしている。

「去年は秋サケの切り身が2切れで750円だったのが、今年は850円で100円も上がっています。生筋子に至っては仕入れ価格が1キロ3500円だったのが、今年は倍以上に跳ね上がっている。イクラも庶民に手が届かなくなってきていますよ」(豊洲市場水産仲卸業者)

一方、秋サケに代わって、ノルウェーやオーストラリアのタスマニア沖、チリで養殖されたサーモンが大量に入荷している。

日本でも数年前から、大手商社をはじめとした企業が全国各地で陸上サーモン養殖事業に力を入れている。

「昔から江戸前寿司でサーモンを使わないのは、東京湾で鱒が捕れなかったから。主に回転寿司で使用されているサーモンの約7割は、ノルウェーやチリからの輸入養殖サーモンでしたが、昨年あたりから、日本の陸上で育った養殖サーモンが回転寿司で出回るようになりました」(同)

秋サケ漁は11月下旬まで。それまでに、ぜひとも豊漁復活を期待したい。

「週刊実話」10月24日号より