「売り手市場で大学生の質が低下している」就活戦線異常あり! 内定者に“オヤカク”する企業が増加中

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ここ最近は人手不足に拍車がかかり、多くの企業が人材の確保に苦戦している。

かつては就職氷河期で非正規雇用が増加した時代もあったが、昨今は大学生の売り手市場が続いている。文部科学省と厚生労働省の調べでは、今年3月に卒業した大学生の就職率は98.1%で、1996年度以降、過去最高となった。

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一方、都内の商社で採用担当を手がける40代男性いわく「売り手市場で大学生の質が低下している」と指摘する。

面接は対面やオンラインでもキャンセルの連絡すらなく、平然と遅刻する学生も増えたそうだ。

別の金融機関の採用担当者は「対面でのコミュニケーションを苦手とする学生が多く、面接キャンセルどころか、内定辞退の連絡もなく、内定者が集まる日に発覚したこともありました」という。

入社前に企業から親に内定の連絡をして入社の意思を確認する“オヤカク”を行う企業も今や珍しくなくなっている。

採用後、出社拒否に至るケースも

また採用しても、入社数カ月で上司に怒られたことによる出社拒否や、電話応対すらまともに出来ない新入社員もいる。正社員採用の場合は会社側も簡単には解雇できず、“お荷物社員”の処遇に頭を抱えている企業も少なくない。

「SNSやLINEでのコミュニケーションが主流で若年層を中心に対人恐怖症の人も多く、企業と社員間での労使訴訟も急増しています」(弁護士)

賃上げを余儀なくされている企業は、より良い人材の採用は切実な課題だが、売り手市場で就職活動の苦労をしないまま学生気分で社会人になる学生が増加し、トラブルが後を絶たない。

今後も売り手市場が予想されるが、学生と企業のミスマッチは、企業側にとって大損失だ。世の中をなめている非常識な若手が増え続ける日本企業の先行きが危ぶまれる。

「週刊実話」10月17日号より