森永卓郎が立憲民主党の“終焉”を予測「野田佳彦氏の代表就任で完全に終わった」

財務省のマインドコントロールで増税派に

例えば、立憲民主党の基本政策である脱原発を理念としては継続するものの、現実には原発を活用することを明言する。安全保障政策も日米同盟重視で、普天間基地の辺野古移設も推進の立場だ。

そして何よりの問題は、野田氏の財政緊縮姿勢だ。民主党政権時代、野田氏は、財務副大臣、財務大臣、そして総理大臣を務めるなかで、財務省のマインドコントロールに屈して増税派に転じ、結局、現在の消費税率10%への道筋をつけてしまった。

増税を否定して政権を奪取したのに、ふたを開けてみたら、増税と負担増のオンパレードになった。それが民主党政権崩壊の最大の要因になったのだが、今回の代表選挙でも、野田氏は相変わらずの増税路線を貫いた。

前回の総選挙で立憲民主党が掲げた消費税率5%への引き下げに関しても、「一度下げてしまうと戻すのが大変」と消費税減税を完全否定している。

野田氏は政権交代を目指すとしているが、基本政策が自民党と同じなのだから、政権交代の意味はない。多くの国民もそのことに気づいている。だから、次期総選挙で立憲民主党が政権奪取に成功する可能性は、ほとんどないだろう。

旧統一教会問題や裏金問題で、自民党に強い逆風が吹くなかで、本来であれば次期総選挙は、立憲民主党にとって党勢を一気に拡大する最大のチャンスだった。

しかし、野田立憲民主党の誕生でその目は消えた。立憲民主党を支持しても、ザイム真理教の事実上の幹部にまで上り詰めた野田代表の下では、その後の増税・増負担地獄が目に見えているからだ。

私は、今後立憲民主党が消滅に向かうのではないかとみている。それは政権を取りに行って、逆に解党に追い込まれた希望の党の二の舞いになるということだ。

「週刊実話」10月17日号より