国産ウイスキーの価格が大暴落! 投機目的による高騰と中国経済の減速が引き金に

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サントリー『山崎』『白州』『響』、ニッカウヰスキー『余市』などが投機対象になって、日本産ウイスキーが価格高騰を続けていたが、ここにきて急速に相場が冷え込み、暴落が始まっている。

「2020年以降に空前の日本産ウイスキーブームが到来しましたが、その下地は2000年ごろからあった。日本産ウイスキーを世界のコンテストに出品し、世界的に権威があるワールド・ウイスキー・アワードやインターナショナル・スピリッツ・チャレンジを受賞。国際的な評価が高まったんです」(ウイスキー評論家)

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また、訪日外国人観光客の増加も国産ウイスキーブームに一役買っている。土産として購入し帰国後、その評判がネット上の口コミで広まっていったからだ。

「2020年にはウイスキーの輸出額が約271億円で、初めて日本酒を上回り、日本産酒類で1位になった。同年発売のサントリー『山崎55年』(定価330万円)はオークションで8500万円超の値がついたこともある。その後もブームは続いて、2022年には輸出額が560億円に達したんです」(酒類販売業者)

世界的に認められたことで国内需要も伸びた結果、供給が追い付かなくなった。熟成させたウイスキーを作るためには10年以上の歳月がかかります。つまり、市場に出回るのは10年先。『白州12年』と『響17年』は販売休止になったほどなのだ。

熟成年の長い商品を中心に投機が過熱

前述した『山崎55年』のように、熟成年数が長ければ長い商品ほど高額なプレミア価格がつくなど、利益目的の投機は過熱した。

「銀座のクラブでは約2万5000円で仕入れていたサントリー『山崎18年』が15万円以上。お客さんにも出せなくなりましたよ」(銀座クラブのバーテンダー)

そして“バブル”が弾けたのか、日本産ウイスキー価格の暴落が始まった。

「日本産ウイスキーの輸入額が一番多かった中国の経済が減速したことで、輸出量が減った。さらに今夏、中国経済が逼迫したことで急速に相場が冷え込み、プレミアムウイスキーを直撃したわけです」(前出・ウイスキー評論家)

かくして、酔いが覚めそうな事態に発展したのである。

「週刊実話」10月10日号より