大の里「大関昇進」で大相撲界に吹き荒れる世代交代の嵐

両国国技館 (C)週刊実話Web
新しい看板力士の誕生だ。

大相撲秋場所(東京・両国国技館)は9月22日、関脇大の里(24)の2場所ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。

成績は13勝2敗。千秋楽で阿炎(30)に敗れ、「最後は勝って締めたかった」と優勝インタビューで悔しがったが、直近3場所の勝ち星が34勝となり、大関昇進の目安とされる33勝をクリアした。

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日本相撲協会にとっては先々場所、先場所と霧島、貴景勝が相次いで大関陥落、頭を悩ましていただけに渡りに船。初土俵からわずか1年半、9場所と史上最速の、まだ大銀杏も結えない新大関が誕生したからだ。

それにしても、大の里の成長ぶりには驚かされる。大相撲ファンから“父の里”と呼ばれている父親の知幸さん(48)も、我が子をこう評するほど。

「まるでタケノコ。破竹の勢いで結果を出している」

先場所、得意の右差しを封じられて9勝6敗に終わり、いよいよブレーキが掛かったかと思われたのも束の間、今場所はその壁を易々と突破してみせた。

二所ノ関親方が“秘儀”伝授

この新局面打開の裏に何があったのか。

「師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の存在が大きい。引退してから5年半、38歳になっているにもかかわらず、師匠は場所前にまわしを締めて大の里と三番稽古(同じ相手と繰り返しやる稽古)を行い、かつて得意にしていた左からのおっつけを徹底的に伝授しました」(大相撲担当記者)

大の里は、この新たに身につけた反対側からの攻めを駆使。先場所敗れた6人中5人に雪辱したのである(1人は対戦なし)。

「両面攻撃、二刀流のマスターで、横綱昇進も時間の問題と、多くの親方たちは見ています」(同)

新スター力士誕生の一方で、横綱の照ノ富士(32)はまたも休場し、大関を30場所務めた貴景勝(28)も13日目に引退した。

「これから照ノ富士の立場も微妙に変わってきますね。頼りになる新大関の出現で、休場ばかりしている横綱はいらなくなりますから。大の里大関昇進のニュースを聞いて焦っているんじゃないですか」(協会関係者)

世代交代の嵐が、一気に勢いを増しそうだ。

「週刊実話」10月10日号より