一般人による“レジャー密漁”増加中 違反すれば100万円以下の罰金が科される可能性も

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一般人による“レジャー密漁”が増加しており、秋の行楽シーズンに向けて海上保安庁などが警戒を強めている。

「2020年の改正漁業法で特定水産動植物のアワビやナマコを密漁すれば、3年以下の懲役または3000万円以下の罰金が科せられるなど、罰則が強化された。にもかかわらず、密漁は後を絶ちません。年々、密漁の手口も巧妙化しています。改造エンジン搭載の高速艇を使用したり、取締船のパトロール予定を事前に察知して摘発を逃れたり、最近ではSNSを通じて実行役を募りネットで売りさばくなど密漁もハイテク化しています」(警察関係者)

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水産庁によると、2022年の漁業関係法令違反による密漁の検挙件数(海面)は前年比16%増の1527件だった。

「検挙数は氷山の一角で、実際の密漁はその何倍にも及んでいる。中でも水産庁や各自治体が注意喚起しているのが家族や仲間同士で、レジャーを楽しむ延長で犯してしまうレジャー密漁なんです」(漁業ライター)

違反者は100万円以下の罰金

今夏も全国各地の海水浴場ではレジャー密漁が頻発したという。特に、千葉県内で検挙数が多く“密漁多発地帯”と呼ばれている勝浦エリアでは海上保安官が摘発に奮闘したほど。

「勝浦はサザエやトコブシで有名なんですが、一般人が捕るのは違法。保安官に検挙されたレジャー客がいましたね」(地元公務員)

神奈川県では潮干狩りで幅15センチ以下の熊手は使用可能だが、網のかかった忍者熊手や鋤簾(じょれん)は不可となっている。また、愛知県では漁業者以外が使える道具を釣り竿、投網、たも網などに限定している。

「日本の大半の海岸では漁業権が設定されており、高級食材のアワビ、サザエ、伊勢エビなどは禁止の対象にされている場合が多い」(前出・漁業ライター)

漁業権が設定された海岸での魚介類の密漁は禁止。一般人が違反すれば100万円以下の罰金が科される。 

「レジャーのついでに軽い気持ちで魚介類を捕ったら、違法で高くつくこともありますよ」(同)

レジャー密漁が犯罪だということを観光客は肝に銘じるべきだ。