ジャニーズ性加害問題の第一人者が“真実”を激白!「ジャニーは目当ての少年が寝ている布団にそっと…」

親や友人には言えない苦悩

ジャニー喜多川から求められたリクエストにすべて応えて、なおかつ満足させれば、相当のポジションを得られることになる。

つまり、デビューを目的としたグループへの加入など「報酬」が待っている。

少年たちがジャニーの行為を我慢した理由としては、自分自身がスターになりたいという願望よりも、応援してくれるファンや友人たち、そして何よりも親の存在が大きかった。

「そもそも思春期の少年が『実はジャニーさんにやられていて、僕もジャニーさんを喜ばしている』なんて言えるわけがない。ましてや、それが理由でデビューできたとか、逆にそれが嫌で事務所を辞めたとか、どちらにしても周囲に心配をかけることになる。それで被害の実態を言えないまま、黙り込んでいたという人は多い」

これらの行為は一種の洗脳だったのか、あるいは性的目的で小児を手なづける「グルーミング」だったのか、ジャニーが亡くなった今、科学的な解明は困難かもしれない。

だが、いずれにしてもジャニーズ事務所のメンバーたちが、そうした行為を行うことと、その秘密を守ることを自己正当化して受け入れなければならないと考え、これを守らなければジャニーズの一員として認められないという、どこか精神的に麻痺した状態であったことは確かだろう。

合宿所だけでなく、移動の車中やレッスン時の休憩時間などにも、ジャニーから身体を触られることは頻繁にあったという。

「僕の場合、自宅のあった厚木から都心まで片道2~3時間かかったから、レッスンだけでなく、ステージやテレビなどの仕事でどうしても都内に泊まる必要があることも多かった。それでもなるべく合宿所じゃなくて、都内に住んでいるジュニアの仲間に頼んで泊めてもらうなど、被害に遭う回数をなるべく減らす努力はしていた」

ほかのタレント事務所の研修生やスクールの生徒とは違って、ジャニーズ事務所は入所した時点からタレントとして活動ができるし、もちろん入所やレッスンに関する費用は一切必要ない。

日々のレッスンに加えて、ジャニーの行為を我慢して受け入れさえすれば、歌手デビューや俳優としての独り立ちという目標を達成できる。

そう信じて、メンバーたちはただひたすら、歯を食いしばって耐えてきた。

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ジャニーズ崩壊の真実 命を懸けた35年の足跡
2024年9月13日(金)発売
本体1700円+消費税

■序章 まだ戦いは終わらない
・ストレスで満身創痍
・ジャニーズ事務所に「実質勝利」
■第1章 ジャニーズの実態
・ジャニー喜多川氏からの電話
・華やかな芸能界
・性被害の実態
■第2章 戦いの原点
・北公次氏の誘い
・全裸監督vsジャニーズ事務所
・北公次氏の反転~終息
■第3章 孤独な戦い
・出版社設立
・文春裁判
・BBCからのオファー
・ジャニー喜多川氏の死
・国連への手紙
■第4章 ジャニーズ消滅
・被害者の会設立
・交渉開始
・止まない誹謗中傷との戦い
■終章 補償の現状と未来
・人権と尊厳の回復のための戦い

平本淳也(ひらもと・じゅんや)
1966年6月14日生まれ。「ジャニーズ性加害問題当事者の会」元代表。ジャニーズ事務所に所属したタレントで作家。所属時には多くのステージを踏み、ドラマや映画、バラエティーなどで活躍。旧所属者たちと新生フォーリーブス、新・光GENJI、SHADOW(シャドー)を結成して性加害問題を提起した最初の実名告発者となる。ジャニーズ関連を含む書籍制作、著書は30冊以上。著作のほか記事や情報提供は無数にあり、メディア出演も多数こなしているジャニーズ性加害問題の第一人者である。

亀井誠(かめい・まこと)
1967年8月2日生まれ。三重県出身。早稲田大学卒業後、ナイタイ出版に入社。退社後はプロレス、格闘技をはじめ、芸能、社会風俗など幅広く取材するフリーライターとして活躍。著作に『プロレス、K1、PRIDE禁断のスキャンダル史』(日本文芸社)、『プロレスの悲劇』(オークラ出版)などがある。