「防災&復興活動は継続していくことが肝心!」蝶野正洋の地域防災プロジェクトが茨城県で初始動 石川県・馳浩知事とのランチ会談ウラ話も

蝶野正洋 (C)週刊実話Web
俺は今、プロレス団体のDDTと組んで「STFプロジェクト」というイベントを手掛けている。

これは俺がこれまで関わってきた地域防災、救急救命の啓発活動をDDTの選手たちと共に進めていこうというもの。その第1弾として、茨城県大洗町で開催された『茨城インターナショナル フィッシング フェスティバル』で、プロレスイベントや地域防災サミットを行った。

【関連】蝶野正洋が『24時間テレビ』批判と兵庫県知事のパワハラ問題に巣くう“悪意”を指摘! ほか

この催しのメインは、3日間にわたって競われるカジキ釣りの国際大会で、元大リーガーの佐々木主浩さんや城島健司さん、巨人軍で活躍した元投手のスコット・マシソンさんなども参加していたんだけど、台風の接近で1日だけの開催になってしまった。

俺が出た地域防災サミットは天気に恵まれ、消防や警察、自衛隊の担当者を集めて防災について率直な意見を交わし合った。

警察や消防は縦割り組織で横のつながりが薄く、同じ地域の防災を担っているのに一堂に会して話し合うということがなかなかないらしい。

そこで2016年から『地域防災サミット』を始めたんだけど、この取り組みは注目を集めていて、全国の自治体から「ウチでもやりたい」という声が届いている。

大洗町は、東日本大震災のときに大きな被害を受けたんだけど、津波による死者がいなかったことで援助が後回しにされて、復興が遅れてしまっていた。先日、今年の元旦に能登半島地震で被害を受けた石川県河北郡にある内灘町に行ってきたんだけど、ここも大洗町と似たような状況だった。

能登での被害の確認も人手が足りない状態

内灘町は金沢市から10キロぐらい離れた海沿いにあって、夏は金沢市民が海水浴に訪れるという穏やかな地域。地盤が砂質の所が多く、地震時に液状化してしまった家屋が基礎ごと斜めに沈んだりするなど、大きな被害が出ている。ただ、直接の死者が出なかったこともあり、なかなか復興の手が届いていない。

石川県知事の馳浩先生を表敬訪問したときにこのことを聞いたら、震災直後の被害状況が把握できなくて、援助が遅れてしまったそうだ。

そもそも、地震による被害状況を確認するのにも人手が足りていないんだよ。地元に消防団があればいいんだけど、過疎化で住民が少なくなって組織を継続できない。

馳先生は復興に対して小さな声も拾って、できるだけ真摯に対応しようという気概が見えた。ただ、俺と話してると昔のレスラーのときの感覚になっちゃうんだよ。

この日はランチ会談ということで、俺と馳先生で一緒に弁当を食べてたんだけど、このあとに会見があったらしく、秘書の人が「打ち合わせをお願いします」と馳先生を呼びに来たんだよ。

でも、馳先生はレスラーモードで打ち合わせなんかいらないよ、本番はビシッと決めるからみたいな感じになっていて、秘書さんがカリカリしていた。秘書課の人たちからすれば、知事が熱くなってしまうんで、プロレス関係者にはあまり来てもらいたくないみたいな雰囲気だったよ(笑)。

防災も復興も常に意識して、継続していくことが肝心だ。俺はこれからも変わらずに、啓発活動を続けていくよ。  

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。