郵便料金の値上げで“年賀状離れ”さらに加速 全盛期の44億枚から今年度は10億枚に

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日本郵便は、2025年度用のお年玉付き年賀はがき(11月1日発売)の当初発行枚数を前年比25.7%減の約10億7000万枚にすると発表した。

年々減少の一途を辿っている年賀はがきは近い将来、消滅するのではないかと危惧されている。

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年賀状は奈良時代からある年始回りを起源に、長く続く日本独自の習慣だ。1949年(1950年度用)から発売された年賀はがきは、1973年に20億枚を突破、ピーク時の2003年には44億5936万枚を記録した。

しかし発行枚数は減り続け、2020年は19億4198万枚と半数以下に落ち込んだ。 背景にはメールやSNSの普及により、年賀はがきの必要性が国民の間で薄らいだのは論をまたない。

「年賀はがきの発行枚数はこの5年間で約13億枚も減っている。追い打ちをかけるように、今年10月1日から郵便料金が値上げとなる。通常はがき同様、年賀はがきも1枚63円から85円に値上げされる。その影響も加味し、当初発行枚数を25.7%減としたのでしょう」(流通ジャーナリスト)

現金30万円の賞品付きでも売れ行き上がらず

減少対策として、日本郵便もお年玉付き年賀はがき“抽選くじ”の賞品に力を入れてはきた。

「2013年発行分のお年玉年賀はがきから、お年玉抽選くじの賞品に現金が加わった。2015年に発行された2016年度用の年賀はがき以降は、賞金も10万円に引き上げられたのですが、当選確率は100万本に1本と低下した」(同)

2019年に発行された2020年度用から1等賞金は、10万円から30万円に大幅アップ。当選確率はそのままだったものの、売り上げの減少に歯止めは掛かっていない。

「特に、若い世代は年賀はがきを知らない子さえいます。若者たちは、除夜の鐘が鳴ると同時にメールで『あけおめ』など、友人に送り合って楽しんでいる。年賀はがき文化に取って代わるのは、時間の問題ですよ」(消費者ライター)

ちなみに、2025年度用には大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」が描かれた寄付金付き絵入り年賀はがきも発売されるが、万博開催が多くの問題を抱えているだけに、売り上げ増加には到底結びつきそうもなさそうだ。