前門の大阪万博、後門の兵庫・斎藤知事パワハラ問題で「日本維新の会」に大逆風

吉村洋文 (C)週刊実話Web
日本維新の会が崖っぷちだ。一つは兵庫県知事選で維新が全面支援した斎藤元彦知事がパワハラ疑惑などで、県議会調査特別委員会(百条委員会)で厳しい追及を受けていること。

もう一つは建設費膨張など何かと批判を浴びる大阪・関西万博で、維新が誘致したカジノを含むIRに飛び火。万博協会から厳しい要請を突き付けられる新たな問題が勃発しているからだ。

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まず斎藤知事の疑惑は、金融機関への補助金キックバック、職員へのパワハラなどだ。今年3月、元県幹部職員が告発する文書を報道機関などに配布したことで発覚した。

斎藤知事は会見で「嘘八百、公務員失格」と述べ「告発は誹謗中傷」とし、県は元幹部を停職3カ月の懲戒処分としたが、この元幹部が自殺したことで疑惑は炎上。百条委員会の証人尋問に出頭した斎藤知事は「処分は適切」と強気の姿勢を崩していない。

「県議会で不信任案提出の動きが確実視されており、すでに86人の県議会議員すべてが斎藤知事に辞職を求める方針であることが判明している。ここには斎藤知事誕生の立役者となった第2会派の維新議員21人も含まれており、すでに日本維新の会の吉村洋文共同代表も辞職と出直し選挙で民意を問うべきとの申し入れをしているのです。ただ、こうした動きに頭を抱えているのが、日本維新の会の幹部連中なんです」(兵庫県議)

日本国際博覧会協会とも対立

というのも、維新は8月末の大阪府箕面市長選で公認の現職が敗北したばかりか、吉村洋文大阪府知事の出身地である河内長野市長選に不戦敗、同府議補選でも敗れるなど党勢衰退が著しいからだ。

「この維新への大逆風は、総力を挙げて取り組んだ大阪万博に起因している。予算膨張や工事の遅れなどで評判はガタ落ち。そこにきて、またまた問題を抱えることになった。万博隣接地にはカジノを含むIR(統合型リゾート)の工事が2030年秋ごろの開業を目指して進められている。ところが、この工事に日本国際博覧会協会が、万博会期中の工事中断を府や市に要請したのです。協会側は工事に伴う騒音や会場周辺の景観悪化を懸念しているようです」(政治アナリスト)

先の兵庫県議が続ける。

「工事中断なら100億円超の追加負担が予想され、大阪府や大阪市、運営会社側としてはとてものめない要請だ。万博とIRの“二刀流”で鳴らした維新は大打撃です。また維新が斎藤知事の不信任案に同調しても、県議会解散、県議選となれば、現在の党勢からして維新は間違いなく議席を減らすことになるでしょう」

まさに泣きっ面に蜂とはこのことかも。