「本格的な株価下落は来年から」森永卓郎が警告するエヌビディア株乱高下に見る“経済大地震”の前兆

ババを引くのは最後まで持ち続けた人

この1カ月、右肩上がりで上昇を続けてきた市場全体の株価は、明らかに停滞し、乱高下するようになっている。私は、このことが大地震の前兆だと捉えている。

1929年の暗黒の木曜日から始まったニューヨークダウの暴落も、実は翌年に一度、元の株価に近いところまで回復している。

それは、暗黒の木曜日に限らず、他の大きなバブル崩壊にも、共通する現象だ。だから、ここのところ続いている株価の揺り戻しと乱高下は、大地震の前兆と捉えるべきだろう。本格的な下落は、おそらく来年になって始まるのだ。

いまの株価は、ピークからは1割ほど下げているが、ピークで全額を仕込んだ投資家はほとんどいないので、大部分の人は、プラスマイナスゼロか、ある程度のプラスで踏みとどまっているはずだ。

つまり、いま株式投資から完全撤退すれば、ほとんどの人が傷を負わずに、投資から脱出できる。これから数カ月は、神様が与えてくれた撤退のための最後のチャンスなのだ。

ただ、株式や投資信託は、始めるより、撤退のほうがはるかに難しい。結局、ババを引くのは最後まで持ち続けた人たちなのだ。