“歩く肺炎”マイコプラズマ肺炎が大流行「風邪と思い込んでしまう人も多い」医師が警告

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初期診断が難しいため、病気と気づかずに街などを出歩いて人にうつすことから“歩く肺炎”とも呼ばれるマイコプラズマ肺炎が、昨年同時期の24倍に急増している。

ここ10年でマイコプラズマ肺炎の報告数が最も多かったのは、2016年の1万9721件。最少だったコロナ禍の2022年(395件)と50倍の開きがあるが、今年は2016年に匹敵するとの指摘もあり、注意が必要だ。

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マイコプラズマ肺炎は、小児や若い人に比較的多い疾患だ。患者の約80%は14歳以下だが、成人の報告もある。

「主な症状は発熱や全身の倦怠感、頭痛、咳などですが、咳は熱が下がった後も3〜4週間の長期にわたって続くのが特徴です。マイコプラズマ肺炎に感染した人の多くは気管支炎の軽症で済みますが、一部の人は肺炎など重症化して入院することもあります。
5〜10歳未満の子供は中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症を併発する症例もあります。マイコプラズマ肺炎は、聴診器をあてて音を聞いても、検査キットなどの簡易検査でも分からない。初期診断が難しいため、風邪と思い込んでしまう人も多いのです」(千葉県市川市にある『藤巻耳鼻咽喉科医院』の藤巻豊院長)

新学期で子供への感染が拡大

マイコプラズマ肺炎は1年を通して見られるが、秋冬に増加する傾向にある。しかし、今年は6月ごろから症状を訴える患者が急増しているのだ。

「治療薬としては、中耳炎や肺炎に効くキノロン系抗生物資があります。私自身、患者からうつされ、入院したこともある。大人はマイコプラズマ肺炎に罹ると重篤になるケースがあり、特に要注意です」(同)

マイコプラズマ肺炎は潜伏期間が長いうえ、感染経路は飛沫、接触感染とされる。感染しているとは知らず、夏休みに旅行に出掛けたり、お盆に帰省して周辺にうつしたケースも少なくないとみられている。

ただ、現在は夏休みも終わり、新学期が始まっているため、今後は子供たちへの感染が増えるのではないか懸念されている。

“歩く肺炎”への警戒は、これからが本番のようだ。