豊洲市場関係者「今年のサンマも小ぶり」 出漁解禁も“黄金漁場”に中国漁船が大挙

サンマ (C)週刊実話Web
8月10日に解禁されたサンマ漁。16日に北海道根室市・花咲港で初水揚げされたサンマは、昨年の490キロを大幅に上回る67トンだった。また、サンマの水揚げ量本州一を誇る岩手県大船渡市・大船港では33トンで、幸先のいいスタートを切っている。

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「初水揚げが豊漁だった花咲港と大船渡港も、例年は漁獲量の少ない小型船が優先的に出漁していたが、今年は小型船から大型船まで一斉に出漁解禁された。初水揚げが豊漁でも、全体の漁獲量は昨年とほぼ変わらないと思います」(漁業情報センター関係者)

サンマは秋に日本近海を南下していたが、近年は海流や海水温の変化などで沿岸に近寄らなくなったとされる。分布域が沖合に移動しているため、サンマ漁は排他的経済水域の外にある公海に頼らざるを得なくなった。

公海上の好漁場は中国の大型漁船だらけ

その公海でのサンマ漁にしても、日本や中国などが加盟している北太平洋漁場委員会は昨年3月、2023〜24年の漁獲枠を25%削減することで合意している。

「サンマの好漁場の公海には中国の大型漁船がひしめき合っており、日本の漁船は太刀打ちできませんよ」(東京・豊洲市場の水産仲卸業者)

花咲港でサンマが初水揚げされた8月16日、中国・福建省福州の漁港から839隻の漁船が爆竹を鳴らしながら出港した。

「船舶の信号から位置を特定できるグローバル・フィッシング・ウォッチ(GFW)を見ると、中国漁船は北海道根室市から東方沖合の公海で活発に活動していました」(漁業ライター)

GFWのデータによると、この海域で今年5〜7月まで操業した中国漁船は前年同期比で34%増、のべ8876隻にも上った。

「中国漁船が大挙して漁を続けている漁場は“黄金漁場”といわれる公海です。サンマの他、イワシやサバなどの好漁場とも重なります。例年同様、中国の大型漁船はサンマの大小問わず捕っています」(同)

前出の豊洲市場仲卸業者によると、「今年も市場に出回っているサンマは小ぶり」というから、豊漁は期待できそうにない?