4歳から信号機に夢中! 小6でHPを立ち上げた“信号機マニア”が魅力を語る

『信号機の世界』丹羽拳士朗
◆『信号機の世界』イカロス出版/2000円(本体価格)

――そもそも、信号機に興味を持ったきっかけは何だったのですか?

丹羽「1歳ごろから街灯や部屋の照明など光るものが好きでした。4歳ごろには『光』と『色』という好きな要素2つが組み合わさった信号機に心引かれるようになり、それ以来ひたすら一途に信号機を追いかけています。
小学校6年生のときに『Let’s enjoy signal!!』というホームページを開設。大学生になってからは信号機撮影に出かけるようになり、4年のときに47都道府県を制覇しました」

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――信号機のメーカーが複数あるとは知りませんでした。

丹羽「メーカーは複数あり、そのうち古くから『小糸工業(現在は『コイト電工』に移管)』、『日本信号』、『京三製作所』の3社が大手として信号灯器を製造してきました。現在『京三製作所』は、信号灯器の製造をやめてしまいましたが、全部で10社ほどが信号灯器の製造に携わっています」

印象深い信号機は「UFO型灯器」

 ――LEDを初めて採用したのは『コイト電工』だとか。どのような技術が投入されているのですか?

丹羽「LED信号機は1994年に徳島県と愛知県に初めて試験的に設置されました。その後しばらくは高価だったこともあり、なかなか普及しませんでしたが、電球式信号機に比べ非常に視認性が高く構造上、筐体(きょうたい)を薄くすることが可能なことから、現在では庇(ひさし)がなく、灯器も小型になった低コスト化を実現したLED灯器が全国各地で普及しています」

――全国にはさまざまなタイプの信号機があるそうですね。その中でも丹羽さんが特に印象深いものを教えて下さい。

丹羽「最近話題になったのは、歩行者用信号機と車両用信号機が一体となった通称『UFO型灯器』ですね。この灯器は宮城県内の仙台市周辺の路地を中心に、かつては30カ所程度設置されていました。
車両用4方向、歩行者用4方向を1つに集約して吊り下げた特殊な信号機で、実際見ると唖然とするような非常にユニークな信号機でした。今年7月に惜しまれつつも仙台市内の最後の場所がなくなってしまいました。 
全国各地にはユニークな信号機があちこちに点在しており、それらを探し回るのが宝探しのようで非常に楽しいです。日本全国20万カ所以上ある信号機。皆さんの周りにも珍しい信号機が眠っているかもしれません。
もし興味を持たれた方がいらっしゃったら、私が執筆した本書『信号機の世界』や、『ヘンな信号機』をぜひ手に取っていただければ、この上ない喜びです」

聞き手/程原ケン

丹羽拳士朗(にわ・けんしろう)

1996年生まれ、北海道札幌市出身、北海道在住。北海道大学大学院修了。Webサイト『Let's enjoy signal!!』を開設し2023年で15周年になる。著書に『ヘンな信号機』(イカロス出版)。