パリパラ五輪代表選手に中傷コメントで賠償命令 控訴するも取り下げ、パラ五輪出場を辞退

画像はAIで生成したイメージ
活動休止を発表したフワちゃんのように、SNSが定着した現代において、ネット上での誹謗中傷が社会問題になっている。

多くの著名人が誹謗中傷に立ち向かっており、訴訟に発展するケースも少なくない。そんな折、パラスポーツ界で、とんでもない裁判があった。

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ブログのコメント欄で中傷されたとして、パラアーチェリーの選手が、パリパラリンピック日本代表選手に169万円の損害賠償を求めて訴訟。8月6日、東京地裁は代表選手側に、約124万円の支払いを命じる判決を下した。 

訴えていたのは、パラアーチェリーの小野寺朝子選手。2021年1月、小野寺選手のブログに匿名で「悪あがきもほどほどにした方がいいですよ」「ルールを守れないような人、代表になんてなれないです」などとコメントが書き込まれたという。 

中傷コメントの書き込み主はなんと… 

小野寺選手側が開示請求をすると、何と書き込み主はパラアーチェリーの日本代表・重定知佳選手だと判明。名誉を傷つけられたと訴えた。 

判決での大久保紘季裁判官は投稿内容を「まったくの虚偽」とし、「身に覚えのない投稿を立て続けにされた上、投稿者が自身のライバルであると知った精神的苦痛は相当だ」と名誉毀損の成立を認めた。 

賠償命令を受けた重定選手側は20日、判決を不服として控訴。しかし23日に控訴を取り下げ、弁護士を通じて「私の軽率な投稿により、小野寺朝子選手を傷つけてしまったこと、心よりお詫び申し上げます」といった謝罪コメントを発表した。 

また同日、28日開幕のパリパラリンピック出場を辞退することも発表している。 

ネット上の選手への誹謗中傷投稿を巡っては、国際オリンピック委員会(IOC)の選手委員会が、パリ五輪期間中に8500件を超えたと発表。 

日本オリンピック委員会(JOC)も「いきすぎた内容に対しては法的措置も検討する」との声明を出していたのだが…。